随分前からニュージーランドで気になっていた宿がありました。人里離れた入り江の奥にたたずみ、独立したコテージが森の斜面に点在しているリゾートがある。プールもあったり、ホテルのダイニングでは美味しそうなものを一杯サーブしているようだし、ワインのストックもいけるらしい・・・というのをもう１０年以上前にニュージーランドアコモデーションガイドで見つけていたのですが、ロケーションや行き方がなかなか分からない。ピクトンから船で行くらしいのだけれど、公共交通機関もあるとは思えないし、と久しくお蔵入りになっていた宿がここパンガコーブリゾートです。

　で、今回のニュージーランド行きを決めたのを機会に、もう一度ここを検索してみると、どんどん出て来るではないですか。マルボロサウンドの中、クイーンシャーロットトラック沿いに位置している。ピクトンからはウォータータクシーというものがあって、それで約４０分すっ飛ばすと着くそうだ。宿はスウィートからバックパッカー向けのドミトリー的なものまで幅広に備えている。レストランのメニューも充実。料金もそう高くはない。
　ニュージーランドのルートをいろいろ検討しているうちに、どうせだからここまで足を伸ばしてみようか、という気になってきました。よし、マウントクックやミルフォードサウンドに行くのは却下、その代わりにクイーンシャーロットトレイルに行くことにしようということになったのです。そこいらが個人旅行の面白い所。

　ここのアコモデーションは本当にバラエティに富んでいます。ラグジュアリースウィートは４００ドル／２人ですし、一方で３５ドル／人のキャビンまであるという、この幅は他の国では考えられない所でしょう。我々はメールでいろいろやりとりした結果、ラグジュアリースウィートの一つ下、シャンパーニュスイートにしました。通常３００ドル／２人のところ、冬だから４人で２２５ドルいいということでした。

　もう一つの手配はウォータータクシーです。とにかくこれでないと現地に行けないのですから。調べていくうちに数社（数人というべきか）が運行しており、片道５０ドル／人とか、１９０ドル／隻とかいろいろありそうというのが分かってきました。４人で行くなら１隻頼んだ方がいいし、時間指定も出来る。１本前のフェリーで出られれば、ウェリントンで時間が取れそうだとなり、往きは列車の到着時刻＋αとして13:30分ピクトン発、帰りは8:00リゾート発という早い予約を、Arrow watertaxisという所に入れ、手配完了です。
　
　そして現地。泊まったスウィートは広いデッキを持つ２ベッドルーム＋屋根裏部屋３ベッドという構成です。斜面が急なため、前に建っているコテージは遙か下となり遮るものは何もありません。静かな海と深い森が目の前１８０度に広がっています（反対側は森の斜面）。この風景のを太陽が上がり回り、そして山の彼方に隠れるのをゆったりと眺めているのが何と気持ちのよかったことか。静寂の中、また時々は持ってきたＣＤをかけながら、そのうつろいを楽しんだのでした。
　なお、Pungaとはマオリ語でシダのことで、この周りの森に大きなその姿を見ることが出来ます。ここのマークにもなっていますし。