弁護士ホーム刑事事件
2015.5.15mf
弁護士河原崎弘

結婚詐欺/弁護士の法律相談

相談
私は、33歳、OLです。私は、雑誌「じゃらん」に載っていたパーテイに申込みました。申込資格は独身でした。
パーティは、平成9年7月20日、六本木のホテルでありました。そこで、私は、読売ヴェルディのコーチをしているOさんと知り合いました。名刺ももらいました。
パーティが終った後、Oさんは、「夕方待ち合わせをしよう」と言うので、ホテルの喫茶店で待ち合わせ、Oさんの友達も一緒に代官山に行って食事をすることになりました。
食事をしている際、Oさんは、「ヴェルディの寮に住んでいる。真剣に付き合おう。結婚しよう」と言ってくれました。
私は、Oさんが好青年に見え、5日後、ホテルで肉体関係を持ちました。
7月30日、Oさんは、「貯金いくらある」と聞き、「足の手術をしなくてはいけない。800万円かかる。保険がきかない。結婚も考えて付き合っているから、助けてくれ」と言いました。そこで、私は、預金をおろし、30万円をOさんに渡し、貸しました。
私とOさんは8月末まで、何回か肉体関係を持ちました。その後は、私は、12月22日までに、Oさんに合計229万円を貸してしまいました。ほとんど現金で、振り込んだのは、合計39万円だけです。
平成10年3月、Oさんと結婚していると言う女性から電話があり、「電話をしないでくれ」と言ってきました。その後、Oさんから電話があり、「ヴェルディのコーチとは嘘で、金は働いて返す」と言ってきました。
その後、Oさんは、19万円だけ返してくれましたが、少し経つと、電話番号が変更になり、Oさんからは、電話が来るが、私からは電話できない状態なってしまいました。
私は、騙されて悔しいです。お金を取り返したいです。
相談者は、父親と共に、法律事務所を訪れ、弁護士に相談(依頼)しました。

弁護士の事件処理
詐欺の証拠としては「読売ヴェルディコーチ」との肩書きのある名刺しかありません。相談を受けた弁護士は、借用書など相談者がお金を貸した証拠がないことを心配しました。弁護士が表面に出て交渉した場合、Oは金を借りたことを否認するおそれがありました。
弁護士は、相談者に対し、Oさんからの電話を録音するように言いました。229万円を貸したとの会話を録音するためです。 相談者は、電話に録音機をセットし、1週間Oの電話を待ちました。しかし、Oからは電話はありませんでした。
そこで、Oが借用を否認した場合は、そのときに、また考えることにして、平成10年5月、O宛てに相談者が貸した金を返すよう 内容証明郵便 にて請求しました。すぐ、Oから電話がありました。弁護士は、その会話を録音し、229万円を貸した証拠を確保しました。そこで、弁護士は、Oに対し「事務所に来て、金を返す旨の文書を書くよう」求めました。
Oは、詐欺(犯罪)をしたとの意識があったのでしょう、3日後に弁護士の事務所に来ました。男性から見ると、およそ、Oは魅力がある男ではありませんでした。Oの話によると、「以前は、バスの運転手をしていたが、今は失業している。現在、仕事が見つかり、パチンコ店で働く」とのことでした。Oは、弁護士が用意していた「月に5万円ずつ合計210万円返す」との文書に捺印しました。
弁護士は、Oに対し、1回でも返済を怠った場合は、「詐欺罪で告訴する」と警告しました。Oは詐欺罪で告訴されることをおそれている様子でしたので、何とか分割払いで210万円を返済すると予想できます。
本件では相談者は慰藉料も請求できます。しかし、Oはまともな男ではないので、相談者は弁護士と相談し、貸した金だけを返してもらうことだけにとどめ、慰藉料は請求しませんでした。Oは、毎月5万円を支払い続けています。

Oは、お金を一括して払いたいと言って来ました。Oは、平成11年5月18日残金175万円を一括して振り込んできました。弁護士は、どこかでまた被害者が出ているのではと心配しました。
結婚詐欺の被害者と犯人が結婚した場合は 結婚詐欺犯と結婚した場合 を参照。

お見合いパーティの危険
「結婚する」と嘘を言って肉体関係を持つことは犯罪ではありません(財産的損害がないからです。詐欺罪は財産犯です)。「結婚する」と嘘を言って金品を取ることは、詐欺罪です(刑法246条)。本件は典型的な結婚詐欺です。
若者の間でお見合いパーティが盛んです。最近は、ネットの出会い系サイト、結婚相談サイトで知り合って被害に遭う例が増えてきました。ネットの場合は、身元調査がなされていません。調査がされているとしても、健康保険証、運転免許証のコピーのチェック程度です。従って、独身であることさえ疑わしい人もいます。
交際後、妊娠して中絶したとか、詐欺に遭ったとかで、法律事務所に駆け込む若者が多いことも現実です。気軽に恋人が作れるので、いいかげんな気持ちで交際する人がいるからでしょう。
交際を始めて、すぐ、「ホテルに行こう」とか、「貯金いくら持っているの」とか、「お金を貸して欲しい」と言う人には気を付けないといけません。結婚詐欺犯の手口は巧妙で、次のような尋ね方をします。 最近、女性の経済力も強くなり、結婚の相手を自分で決めようとする傾向があります。それ自体は悪くないのですが、相手の容姿を重視するのは、男性と同様です。
同性に対する人物評価には誤りはないのですが、異性に対しては正しい人柄の判断ができず、容姿、外見で判断してしまうことは、男女とも共通です。ここが、間違いの始りです。後に出てくる怖い女性も外見は清楚です。
逆に、容姿が悪いからといって油断してはいけません。こんな容姿の人は大丈夫だと信じて、詐欺に遭った人も多いです。
大事なことは、お金で愛情を買えないことを肝に銘じるべきでしょう。愛情にお金が絡むと嘘になるのです。

また被害
お見合パーティで知り合い、同じような被害にあった女性からメールが寄せられています。男性から、「貯金いくらあるの」と聴かれ、お金を貸しています。皆、男性の身元が判明せず、領収書ももらっていません。せめて銀行振込みを利用すれば、証拠が残ります。
最近は、婚活サイト、婚活バーにおいて知り合い、被害に遭った女性が相談に来ます。皆、相手の身元が明確でないのに、お金を貸しています。危険です。

判決
弁護士ホーム婚約破棄、離婚
東京都港区虎ノ門3丁目18-12-301(神谷町駅1分)弁護士河原崎法律事務所 電話 3431-7161