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議会質問


--2004・3議会--

《循環型社会形成の取り組み》
@環境会計の導入              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・市長 □
                      ・・・・・・人・自然共生部長 □
Aバイオマス利活用             ・・・・・・人・自然共生部長 □
B最終処分場の見通し             ・・・・・・・・・環境事業部長 □

《精神障害者に対する地域福祉対策》    ・・・・・・・・・・・市民健康部長 □
@地域に在住する精神障害者のケアシステム
A精神保健福祉士相談体制の充実
B障害者計画の進捗状況

《人に優しいJR岐阜駅前広場整備》      ・・・・・・・・・・都市建設部長 □
@コンセプトに人の動線をどのように考えているのか(イメージ先行)
A県道横断地下道をやめて平面横断に
B自転車通行の動線と駐輪場の位置の問題
C歩行者用デッキの広さは十分か
D駅舎前の広場は狭くないか

《観光資源としての鵜飼観覧船造船所》     ・・・・・・・・商工観光部長 □
@改修、整備内容
A和船の伝統的的造船技術の伝承と労働環境の改善
B民間の観光施設等との連携・タイアップ


       -----------------質 問 本 文-----------------  初めに、循環型社会形成の取り組みについて質問いたします。  平成12年5月に循環型社会形成推進法というリサイクルや廃棄物に関する基本的な取り組みについて画期的な法制化が図られたところですが、以来、我が岐阜市初め、各自治体はそのための取り組みを強化しております。今議会にもバイオマス利活用にかかわる多額の予算が計上されているのは御案内のとおりであり、以下、こうした流れを踏まえながら、3点お尋ねをしたいと思います。  1点目は、環境会計の導入についてであります。  財政状況が年々厳しくなる一方で、さきに述べましたように環境施策の強化が求められています。我が市は平成14年9月8日に環境都市宣言をしたところでもあります。当然環境施策の強化は多大なコストがかかり、財政負担となりますので、環境にかかわる事業内容やその手法等についてのその効果とコストの両面から厳しく選択していく姿勢が極めて重要となります。そのための有力なツールとなるのがこの環境会計であります。  私は平成12年6月議会においてこの環境会計導入の提案を行ったのでありますが、今議会でのバイオマス利活用にかかわる活発な議論を見るとき、まさにこの環境会計の視点から冷静に判断することが求められている事柄ではないのかと考えます。前回の質問時点では、自治体における環境会計の導入事例は東京都下水局など一部の自治体のみでしたが、その後、岩手県や山口県、横須賀市の全庁的な導入や神奈川県企業庁など、取り組む自治体がふえつつあります。  ここで言う環境会計とは、企業が環境対策に投じた費用と、それによる省資源などの節減効果との環境収支のことを指しております。今日の企業は営利活動だけでなく、環境保全のような社会的な利益を考慮しないと成り立ちにくくなっているのが国際的な動向です。環境への取り組みや将来の環境コストを積極的に情報開示して投資家や消費者にアピールしようとする企業もふえてきております。自治体の環境行政につきましても企業と相共通する面があり、特に財政的に困難な中で環境保全活動を進めなくてはならない状況を迎えているのであり、この点、環境保全活動の費用効果分析の道具というかツールであります環境会計を導入することは大変有効なことと考えます。これにより環境行政の有効性の評価が可能となるとともに、今後求められるであろう地域住民からの環境情報の公開要望にも十分な対応ができるものと考えるからであります。  岐阜市の環境行政についても厳しい財政状況に置かれているのでありまして、環境会計による適切な環境対策の選択と分析が必要でないかと思いますが、この環境会計について市長はどのような認識をお持ちなのか、質問をいたします。  そして、人・自然共生部長には、岐阜市の環境事業や施策に対する環境会計導入についての課題をどのようにお考えか、前回質問してからの検討経過とあわせてお尋ねいたします。  2点目は、今議会、多くの議員が質問しておられますバイオマスについて人・自然共生部長にお尋ねします。  生ごみの処理について岐阜市の施策としては、まず初めに、家庭におけるコンポストの設置推進に取り組み、次に、EM菌──ボカシの普及援助、その後、電気式生ごみ処理機の設置援助を行ってまいりました。そして、次に、このバイオマスに取り組み、NPO団体との連携で1,000世帯から排出される生ごみの堆肥化を行ってきたところであります。いわば生ごみの処理については施策のステップアップを図ってきたのであり、これにより生ごみの資源化率は25%となり、評価されるところであります。今議会ではその対象世帯を1万世帯に拡大し、堆肥化とともに発生するガスによる発電を行おうとするバイオマス利活用であり、質問のテーマであります循環型社会形成の取り組みの観点からは評価をさらに高めることになるものであります。しかし、1点目で指摘したように、そのコストと効果の検証が必要ではないでしょうか。焼却処理に比べて7倍のコスト増をどう見るのか、まさに環境会計の視点が求められるところです。  私はさきに質問された方との重複を避けて、まず初めに、循環型社会形成の取り組みにおいてバイオマス利活用をどのように位置づけているのか。我が市は生ごみを対象として行うのですが、他のバイオマス、例えば、木質バイオマスとして、廃材、木くず等を利用して白川町のように発電を行う所もあるのですが、バイオマスの長期的な達成目標をどこに置いているのか、お尋ねします。  さらに、その際、生ごみというバイオマス利活用の実証実験を行って、最終的にはどれだけの世帯に拡大を目指すのか。そして、そのときはコストはどこまで低減できるのか。さらに、その場合、平成10年以来、岐阜市が補助して設置推進してきた電気式生ごみ処理機との比較で優位性をどのように判断したのか、お尋ねします。  電気式生ごみ処理機は家庭での自己負担で完結処理が可能で、行政のコスト負担の面では一番すぐれたものでないかと考えるからであります。言うならば、家庭でのバイオマス利活用であり、市民協働型のごみ処理とも評価できるものと考えます。  3点目として、一般廃棄物最終処分場について環境事業部長に質問します。  ごみの減量化が循環型社会形成の基本でありますが、どうしても循環処理できないごみというものが発生します。この排出されたごみは焼却されることになり、そこからは焼却灰が発生します。この焼却灰をできるだけ少なくすることも極めて重要な施策であり、具体的には、焼却灰の溶融化技術を導入して少しでも長く埋立地を使用できるように見通しを立てるべきでないかと考えます。この点いかがお考えか、お答え願います。  なお、現在の最終処分場の状況についてもお尋ねをします。

 次に、精神障害者に対する地域福祉対策について市民健康部長にお尋ねします。  初めに、今回このテーマで質問するに至った手紙の一部を紹介させていただきます。40歳になる精神障害のある男性の親族からの手紙であります。精神障害者を抱える家族の実態に少しでも理解をしていただきたいため議題に取り上げてほしいというお願いからであります。  その子はいわゆる精神障害者なのです。もちろん障害年金はいただいております。でも、身体の方は至って元気ですが、働くことはできません。医者にはかかっております。薬も服用しております。若い者が元気な体をぶらぶらさせていることは大変なことなのです。何の希望も持てない彼のすることは、時折大声でわめいたり、ぶつぶつつぶやきながら歩き回ったり、時には枯れ草に火をつけたりします。自分の住まい、借家ですが、一度火を放し火事を起こしかけました。御近所の方たちは大変に不安を抱いていられる様子です。妹──その男性の母親のことでございますけども──妹は生活のため、昼となく夜となく働いております。心配しながらでも仕事をしなくてはなりません。どこかで隔離とか何らかの保護をお願いしなくてはと思いまして、市役所の相談室とか保健所とかへお願いに参りました。でも、取り合っていただけません。医師のおっしゃるには、それをするほど重症ではないとのこと。そうですかと帰るより仕方がありません。何の喜びのない彼は、好きなように買いまくるのです。もちろん年金だけでは足しにもなりません。したがって、借金してしまうのです。サラ金等、雪だるま式になってしまいます。食べることもかなわない生活になってしまって、妹は親子ともども破産宣告もしました。その前に息子は二度ほど自殺しかけたのです。私たち兄弟も7人おりますが、みんな年上の者ばかりで、大して助けることもできなくなっているのです。ただただ、何かいい方法がないかと思い暮らすばかりです。  現在、日本の福祉は大変にすぐれているとは思いますが、まだまだこのような隠れた部分の苦しみを取り上げていただくところまでは至ってないように思います。こんなこともあったことをもし少しでも議題にしていただけるなら、本当にうれしく存じます。そこから少しでも苦しみが解けていくように思うからです。いろいろと問題が山積する現在、こんなことぐらいに気を使うことは不可能かもしれません。でも、もし犯罪を犯すようなことになったらと、やはり不安が募るのです。どうか世間に迷惑をかけないように生きてくれと祈るような気持ちです。  つたない私の文章にどれほど御理解くださいますのかと思いますが、少しでも心を動かしてくだされば幸いと、祈るような気持ちで筆を置きます。  この手紙からは、精神障害者を抱えた家族の深刻な悩み、近所の方の不安、医療の実態、行政の実情というものがありありとうかがえます。日本の福祉は大変進んできたというものの、精神障害者の置かれた状況は、まさに手紙にありますとおり、昔と比べてそれほど変わっていないということなのでしょうか。  素人判断ですが、精神障害者は常に医療機関の治療を要する障害者という特徴がありますが、医療機関としては、ノーマライゼーションの考え方からか、入院ではなく障害者治療を地域社会に住まわせて行おうとする傾向があるように思います。この点は精神障害者の社会的入院解消のためにも評価できるとこでありますが、問題は、地域の受け入れ体制や地域に在住する精神障害者のケアシステムをつくる、あるいは理解を求める作業をなしに行われるところにあるように思います。確かに医療機関がその役目を担うのは困難なことと思います。まずは家族、そして、地域社会の双方からの相談を受けられるような保健所や健康センター等の機能の拡充、あるいは精神障害者専門の総合相談センター機能の設置といったものが求められると思います。そして、ここを核にして、医療、福祉、警察等との密接な連携発揮が重要なことは論をまたないと思います。  古くて新しい問題とされる精神障害者を取り巻く実態には、問題点についてのプライバシー保護等の制約があることも理解するものですが、地域社会のコミュニケーションの崩壊現象に起因している要素が多いように思います。しかし、私は、そのことだけではなく、これまでも多くあった相談事例や問題点について事例検討会を開催して検討されているとのことでありますが、それぞれの機関内に記録されているだけで、各機関での取り組みの成果の統合や分析を行って、それを地域社会からの相談に生かすようなフィードバックの努力が十分でなかったのではないかと思います。  近年、市民協働のまちづくりの考え方がどこの市町村でも強調されるようになりました。しかし、まさにこの精神障害者を取り巻く地域社会による問題解決は、もともと市民協働の手法によらなければできないものと考えます。  そこで、質問ですが、この市民協働で解決していくためには、さきに述べたような行政からの地域社会への適切なノウハウや情報の提供、地域社会と家族とのコーディネート機能や各関係機関のネットワークづくり等が不可欠と思いますが、どのようにお考えか、お尋ねします。  2点目として、保健所や各市民相談における精神保健相談の中核となる精神保健福祉士の充実が急務と思いますが、どのようにお考えか、お尋ねします。  3点目として、精神障害者についての岐阜市障害者計画の進捗状況についてです。  特に家庭環境等の理由から住宅の確保の困難な者に対する福祉ホームと、働く能力に限度のある者に対する授産施設は大変に要望のあるものと考えますが、現状は未設置の状況と聞きますが、第2期の障害者計画ではどのように位置づけるか、お考えをお尋ねいたします。  

次に、人に優しいJR岐阜駅前広場整備について質問をいたします。  昨年末の議会終了直前に岐阜駅北口駅前広場整備計画について、広場と歩行者用デッキのデザインイメージが発表されました。基本コンセプトが御存じのとおり杜の中の駅であり、これを具体化しようとするものであります。今議会には新年度予算として駅前広場計画にかかわる岐阜駅北口土地区画整理事業費として27億9,000万円余が計上され、歩行者用デッキ整備、広場整備が始まろうとしております。政令指定都市を目指す岐阜市の顔となる岐阜駅であり、電車からバス、車、自転車へと人が乗りかえ、そして、人と人が行き交い出会う所が駅前であり、これに伴って物流・経済活動が、そして、人の交流が集中する所がこの駅前です。広場整備に関しては、この観点を最も重視すべきものと考えます。広場整備着手前の最後の議会となりますので、改めてこの観点から計画内容の確認をさせていただく意味で質問します。  今回のデザインを子細に見ていきますと、人の動線をどのように考えているのかと疑問に感じる点が幾つかあります。  初めは、吉野町5丁目前の地下道についてであります。  この地下道は現存する歩行者用地下道を自転車専用に改修するものであります。地下道入り口の階段部分を延伸してスロープに置きかえるのですが、地下道が直角にクランクするため見通しが悪く、距離も長くなります。現在は地下道の上に自転車専用帯が専用信号機つきであることを考えますと、不便になり、自転車を引いて歩くことを前提にしますので、利用者の負担も大きいということになります。案の定といいますか、地元吉野町5丁目自治会では、平面交通にせよと反対署名運動が起きているとのことであります。地元の方は既に、この地下道は暗くて、ホームレスの方や不審者がいる実態をよく知っており、金華橋通りの柳ケ瀬で地下道が廃止され横断歩道化されたことなどを踏まえて、自転車も歩行者も通れる信号機つきの横断歩道設置を求めているのであります。  2点目は、自転車駐輪場の位置と自転車利用者が駐輪場に至る動線についてであります。  現在はハートフルスクエアーGの北側に暫定ですが1,700台の駐輪場があり、東自由通路からストレートに駅舎改札口に行けるのですが、整備後はハートフルスクエアーGの東の高架下になり、かなり駅舎からは遠くなります。さらに、自転車はどのようなルートを通って駅舎に来るのか、よくわかりません。というのは、北の繊維街から駅に至るためには県道を渡らざるを得ませんが、この横断は、駅広の西の端、駅西地区再開発地域の信号交差点かさきの駅正面の地下道を通らざるを得ないのです。現在は自転車横断帯等を通ってストレートに駅に至ることに比べますと、反対に不便にならないでしょうか。そして、このことの市民説明をきちんと行ってきたのでしょうか。  3点目は、歩行者用デッキについてです。  この点は既に他の議員からも指摘のあったところですが、私は、むだに大きいものをつくる必要はないと思いますが、車いす利用者、朝晩の利用者増大時に十分なのか、よく検討を要するものと考えます。本来はデッキを使っての各動線ごとに詳細な利用量調査をきちんと行って、それに基づいて決めればよいのであって、極端に変わるのは、果たして十分な利用量の需要計算をしたのかと問いたいところであります。基本的には、動く歩道はやめて、十分な幅のあるものをつくることの方がよいとは思います。さらに、先月、都市計画審議会の視察で訪れた川越市とさいたま市にある駅前の歩行者用デッキで感じたことですが、案内表示、サイン計画と自然な動線を考えること、さらに、高くて長い空間を渡るのですから、強風等への対応とともに、安全、安心の配慮を強調したいと思います。  4点目は、駅舎前の空間についてです。  ここは人と人が出会う、まさに広場の中心で、若者のパフォーマンス等が行われたりすることもあることを考えると、狭いのではないかと思います。2階の駅舎からの外へのデッキ部分も十分な広さがあるとは少し思いにくいと思います。少しうがった見方かもしれませんが、「杜」のスペース確保のために、あるいは里山の確保のために、本来駅前として一番重視すべき人の交流スペース等が犠牲になったのではと思えてしまうのです。念のため、私は杜の中の駅構想には反対ではありませんが、まずは駅及び駅前としての機能確保を優先すべきことを指摘したいのであります。  そこで、以下、質問に入りたいと思います。  まず初めに、杜の中の駅という駅前広場整備の具体化に当たって、駅前広場としての基本的に求められる利用者の視点、使い勝手の視点や、身体障害者の方も含む駅利用者を初め、周辺街区の居住者等に対する優しさの配慮をどのように考え計画してきたか、お尋ねします。  2点目として、さきに質問した自転車通行の問題等4点についてどのように対応されるのか、お尋ねします。  

最後に、観光資源としての鵜飼観覧船造船所について質問をいたします。  16年度観光事業特別会計の当初予算案として、観光施設整備に鵜飼観覧船造船所改修工事800万円が計上されています。文字どおり本市の観光の目玉であります鵜飼に不可欠の観覧船をつくる工場を今後は観光資源としても活用を図ろうとする姿勢がわかるのであり、大いに結構なことと思います。  先日、造船所を視察させていただきました。そのときの印象を少し述べさせていただきたいと思います。  場所は知事公舎と同じ並びで3軒ほど東隣にあります。すなわち歴史博物館、名和昆虫博物館、金華山ロープウエーを経由して、日中友好庭園、水源地広場等の長良河畔に至る観光の動線の中にあり、まさに絶好のロケーションを占めています。ただし、通りから見ますと、造船所の入り口は狭く一見してはここが造船所とはわかりづらいのが残念です。中に入りますと、入り口から想像したよりは広く、ほぼ完成間近な観覧船がすぐ目につきました。おかに上がった船というものはこんなに大きいものかと思ったのでありますが、使われている木の厚みとともに重厚さを感じた次第です。その奥は、使われる木材の乾燥場兼倉庫であり、木材のコウヤマキの大きな板材や丸太が細い木の枠組みの中に保管されていますが、外観は掘っ立て小屋であり、板が落ちてくるような危うさを感じた次第です。ところで、材料となりますこのコウヤマキですが、普通の木に比べて成長が遅く、その結果、木の密度は高く、きめ細かい木質となるため、船板やふろ板に向くのですが、今や貴重な樹種となり、入手が年々困難になりつつあるようです。この倉庫の西側に作業場というか工場があります。ここもトタンぶきのやはり掘っ立て小屋に近い状態の建物です。船底となる大きなコウヤマキの板が2枚密着されてあり、その上におもしが置かれて、板のそりをつける加工工程にありましたが、微妙なそりをつくるために、おもしの位置、数に工夫がありそうです。  棟梁が出てこられまして説明を受けましたが、この和船づくりには一切設計図がないということであります。大きな観覧船を設計図なしにどのようにつくるのかと疑問に感じましたが、一枚一枚違う貴重な自然の材料の特性を見分けて選び、それに応じた加工を行う和船の伝統的な職人わざなのだと直観したものであります。ちなみにこの方は7代目の棟梁となるそうです。このこと自体が既に伝統技術の継承のたまものでありますが、ここは鵜飼を支える重要なインフラ部門なのだということ、そして、鵜飼という事業は鵜匠が主役かもしれませんが、実に多くの部門から成り立っていることに改めて認識を新たにした次第です。観光客が夜のしじまで鵜が一瞬にアユをとらえる瞬間に興ずるのとは対照的な、長い時間をかけて船大工が手づくりで行う和船の製作過程を見るとき、鵜飼事業の奥深さを感じて、リピーターができる、リピーターとなるいいチャンスが生まれるのではないかと感じた次第です。しかし、人に見てもらおうという立場から改めてこの造船所を見直すとき、既に指摘しました老朽化し掘っ立て小屋という外観の問題、そして、大きな板材が保管され、切削工具類がある中をどこまで近づけて見せるのかといった安全の問題に加えて、ここにはトイレがないこと、そして、駐車スペースが十分でないこと、シーズンによっては船が見られない場合があるなどの問題を指摘せざるを得ないのです。これらの問題をクリアして本格的な観光施設として整備するには、果たして800万円でできることなのかという疑問が禁じ得なかったのであります。さらに、お年を召された職人の方のこの伝統的な和船製作技術がきちんと伝承できるのかという課題も感じたところであります。  そこで、以下、これらのことを3点に集約して質問をいたします。  1点目は、今回の予算800万円をかけての造船所改修工事について、どのような改修整備を考えているのかについてです。さきに指摘したような観光施設としての課題についても対応できるのかという視点からお尋ねします。  2点目は、伝統的な和船の造船技術をどのように伝承していくのか。つまり後継者養成のことです。この点は当然若い職人さんが安全、快適に働ける環境づくりが必要でないかという労働環境に関することですので、この点もお尋ねします。  3点目は、当造船所を観光資源として活用していくことについてですが、この造船所の位置は、さきに述べたとおり、金華山ロープウエー等、岐阜公園内の中心的位置から水源地広場等、長良河畔への観光動線の中にあり、金華山・長良川まるごと博物館構想や長良川プロムナード計画の重要な一角を占めています。この歩いての観光動線の中には、観光客がお茶を飲んだり一休みするような施設が幾つか必要と考えますが、御案内のとおり、十分ではありません。観光スポット単独で整備することは財政的な問題もあります。このためには民間のホテル、旅館等との連携が有効と思いますし、幸い近辺にそのような民間施設がありますので、造船所に来た人には割引サービスをお願いしたり、民間施設が造船所の存在をPRするような連携の仕組みが必要と考えるところであり、この点について質問いたします。


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