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山口子ども太鼓”祭”の迫力ある太鼓の響き 

■平成23年3月21日、山口ホールで開催された地域の青愛協や小中学・幼稚園のPTAが主催する「青少年健全育成大会」に参加した。二つの演奏と講演会というもりだくさんの内容だった。1時半の開会には200名ほどの聴衆が会場を埋めた。
■最初の演奏は地元山口小学校高学年22名による山口子ども太鼓”祭”だった。6台の長胴太鼓と2台の締め太鼓が繰り出す迫力ある音色が、ホールの優れた音響効果で増幅されて響き渡る。木遣り太鼓、豊年太鼓、ぶち合わせ太鼓、屋台囃子ばやしの四つの演目が演奏された。聴衆の中には演者たちの父兄たちの焚くデジカメのフラッシュが相次いだ。

唇が楽器になる・・・口笛演奏の驚き・・・  

■次は珍しい口笛演奏だった。奏者は儀間太久実(ぎまたくみ)さんという23歳の若者だった。2007年の口笛国際大会ティーンの部のグランプリ受賞という凄腕の持ち主である。カルメンをはじめ4曲が演奏された。
■その素晴らしい演奏に圧倒された。唇が見事な楽器になっている。合間に口笛一発芸なるものも披露された。ロケット花火の打ち上げ音やお化けの登場効果音などで笑いを取る。最後に受賞曲「モーツアルトのトルコ行進曲」で大いに盛り上がった舞台が締めくくられた。

「講演」 子どもたちの心にスイッチが入る時
■休憩を挟んでメインの講演会が始まった。「豊かな心の育ちと読書の喜びを」と題した講演の講師は帝塚山大学や奈良女子大学の非常勤講師・曲里(まがり)由喜子さんだ。長い教員生活の経験を持つ学校図書館教育や読書指導のスペシャリストである。
■「絵本『椋鳩十さん』は、教え子の心にフッとスイッチが入った絵本だった」など、数冊の絵本がエピソードを交えて紹介された。「おごだでませんように」など心打つ二つの絵本が朗読された。
■文字は読めても本が読めない子どもたちが増えているという。言葉が分かり始める3歳頃から絵本を読んで聞かせることの大切さを知った。生の声による美しい言葉のシャワーが及ぼす力ははかりしれない。久々に心豊かに過ごせた2時間余りだった。