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13番目のオブジェは、船坂の古刹・善照寺本堂の中に設置されていた。本堂と庫裏は、ともに茅葺きをトタンで覆った風情のある屋根である。境内東側には鐘楼らしき建物が残されている。保育園併設の寺院に設置された境内のカラフルな遊具が、伝統的な古刹に生き生きした雰囲気を漂わせている。本堂正面の木の階段を上がると意外に広い縁が本堂の三方を囲んでいる。本堂内の40畳ほどの外陣は比較的新しい畳が敷かれている。天井から吊るされた大きな六角照明と「黄金山」の金箔の額がひと際目につく。内陣正面の須弥壇には、黒い阿弥陀如来立像が安置されている。別名・浮き足如来と呼ばれる本尊である。オブジェの鑑賞の機会は、一度は参拝しておきたかったお参りの絶好の機会でもあった。 |
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午後1時半頃に、ビエンナーレの全てのオブジェを見終えた。朝11時過ぎから2時間余りの散策だった。山王神社や隣りの国玉大明神を参拝したりして15分ばかりを過ごした。2時からは小学校体育館で催された人形劇公演を楽しんだ。生徒数にふさわしい小型の体育館では並べられたパイプ椅子を地元のお年寄りなどで埋められていた。3グループによる公演だった。最初は甲山高校の生徒たちによる紙人形劇「ねずみとりのトルーネさん」だった。決して上手とはいえないがその一生懸命さは伝わってくる。 続いて街の紙芝居屋さん・コンちゃんの登場である。70歳を越えたかに見えるプロのおじさんが軽妙な語り口で3本ばかりを上演した。子供の頃に楽しんだ紙芝居が今目の前で繰り広げられている。物語のクライマックスで必ずその日の一巻が終る筋書きである。続きはまた明日・・・ということで次の日も次の日も待ちかねたようにお地蔵さん前に駆けつけた思い出が甦る。
最後は戎座人形芝居館チームの出番である。西宮戎神社ゆかりの人形あやつり師の傀儡子を思わせる衣装に身を包んだメンバーたちが舞台前に陣取った。三味線、太鼓、語りなどの音曲の担当者たちだ。舞台では人形浄瑠璃風の人形を黒子たちが操っている。なかなか本格的な仕掛けである。西宮民話「逆顔大王」の物語が巧みな筋立てで展開する。初めて見る本格的な人形芝居をたっぷり楽しんだ。 |
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