
GOING TO BELGIUM
8月3日の(3)
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ビールも空になったし、店内の様子も見てしまったので、そろそろ河岸を変えよう。
ウィンドウに銀の骸骨などが飾ってある店があった。骨董屋かと思って近づくと、HARD ROCK CAFE のような店のロゴが目に入る。どうやらハードロッカー御用達の店のようだ。ロックフェスの帰りにこういう店に出会うのも何かの縁と思い、入ってみる。Tシャツ、ヒラヒラの服、ミュージシャンのポストカード、アクセサリー。Tシャツ類は5000円くらいでかなり割高感。なにか安くて思い出になるようなものはないかと探していると、壁にパッチがたくさん貼ってあった。探すと GREAT WHITE のもひとつある。いかにも、というゴージャスな赤毛に真っ青な爪、黒ずくめのお姉さんに頼んでとってもらうと、不織布で出来たかなり安っぽい作りだが、まあ500円くらいだし記念にはなるかと思い買ってしまう。 しかしこのお姉さん、近くで見るとすごかった。年はかなり行ってると思うのだが、多分若い頃(今でも?)クスリとかやっていたに違いないと思われる顔のシワ、折れるほどに痩せ細っている。それでも、こうして自分の生き方を突き詰めているんだから偉いよなあ。 買物をして外に出たら、目の前に見たことのある看板が見えた。TOONE というビアカフェで、10年前に来たときに入った店だ。まだあったんだ! ここで食べたサンドイッチのおいしさを思い出したので入ってみる。店内は恐ろしいくらいに何ひとつ変わっていない。記憶の中にあるそのまま。いくつかの小部屋に分かれている店内を一通り見て回ったが客が誰もいない。どうしようかと思ったところに若い男性ウエイターが現れた。これがもう若い頃のエリック・ストルツそっくり。しっかり座ってしまう。
「何をお飲みになりますか」「少し食べたいんですが」「スナック程度のものしかないけど」「確かパンにチーズを塗って食べるのがあったでしょ?」「ああ、白いチーズを塗る?」「そうそう、それ。それとカンティヨンのグーズをください」 運ばれてきたサンドイッチも記憶の中のものとまったく同じだった。すごく大きなカンパーニュ型のパンを薄切りにしたものに、フレッシュチーズ(日本のだとカッテージチーズが近いかな)を塗り、そこに添えられているラディッシュを薄切りにしてずらっと並べて、塩を振って食べる。それだけのことなのに、これがもう信じられないくらいおいしいのだ。おまけにこっちのちょっと酸っぱいビールにめちゃくちゃ合う。ああ、この味よねえ、と感慨にふけりながらかなり大量のパンもチーズも残さず食べてしまった。 さあ、そろそろ時間だ。現像屋に寄って写真を受け取る。ワッフル屋で買ったワッフルをかじりながら出来をチェック。心配は杞憂に終わり、ちゃんと全部無事に写っていた。400で撮ったほうは暗くて見られないのも多いが、前回アメリカで使い切りカメラで撮ったときの落胆に比べたら月とスッポン。やっぱりカメラを買ってよかったあ。 しかし、こっちのワッフルってでかい! 日本の倍くらいある。とてもじゃないけど食べきれないので、これまたポリ袋に入れて持ち帰る。一体いつ食べる気かね。
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