GOING TO BELGIUM


Roots Rock Festival.Nidrum,Belgium,1998 Summer

8月2日の(3)

もう昼どきだ。お昼をすませて、早めにここに戻ってこよう。そう思ってホテルへの道を歩き出した。道が2つに分かれる角まで来たところで、ちょうど小型車が止まり(なんでこんなとこに駐めるんだ!)、クリスと THUNDER のツアーマネージャーのスティーブが降りてきた。

ふたりとも急いでるふうではなかったので、ちょっと話をする。クリスによると、連中はバスでドーバー海峡をフェリーで渡ってきたそうだ。10時半頃こちらに着いたと言っていた。やぱり地続きのヨーロッパは移動がらくよね。強行軍の GREAT WHITE と比べてゆとりのスケジュール。

クリスにサウンドチェックは何時からなの?と聞いたが、さあ、なにも聞いてないなあ。知ってるのは出番が10時半だってことだけなんだ」「遅れるかもよ。きのうの GREAT WHITE も始まったの11時だったからねえ」「雨だったんだって?」「そりゃもうひどい雨。でも知ってる? 天気予報だときょうは雷雨なんですってなんか私ってすごいヤな奴だなあ(^^;)。

きょうはレストランで食べる気分じゃないなあ、と思いながら歩いていると、向こうからピザを食べながら歩いてくる女の子が。彼女が来た方向を見ると PIZZERIA の看板が見えた。おお、カフェ以外にもう1軒、食べ物屋があったんだ! すっかり気分はピザになり、そっちの方向に歩いていく。

着いて中に入ると、し〜んとした店内でおじいさんがひとり、カウンターでビールを飲んでいる。PIZZERIA という雰囲気とはほど遠い。が、出てきた若い女の子の持ち帰りでと言って、きのこのピザを注文した。おじいさんはずーとこっちを見ている。にっこり笑ってボンジュールと言ってみたが、にこりともしない。偏屈そ〜。

おじいさんの凝視に約15分耐え、ようやく出てきたピザを持ってホテルに戻った。晴れているから会場の外のベンチで食べてもいいんだけど、人通りがけっこうあるから、きっとまた「ほらほら日本人がピザ食べてるぞ!」攻撃にあうに違いないと思ったのだ。少しは休息しないと神経がまいってしまう。

ほかほかと温かいピザを抱いてホテルまで戻ってきたら、奥の駐車場から赤い車が出てきた。運転席を見るとエドガーなので手を振ると、後ろの席でも手を振っている。そばを通ったときに見たら、ダニーとハリーだった。ダニーは赤と白のチェックの半袖シャツを着て、相変わらず休日のお父さんルック。そうか、この村にレストランは1軒しかないから、連中はここで食事をしたんだ。でも、さっき、ちょっと荷物を置きにきたとき食堂も通ったけど、見かけなかったなあ。奥の朝食をとる食堂に隔離していたのかも。

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