
GOING TO BELGIUM
8月1日の(9)
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部屋に入り、すぐにでも倒れて寝たかったが、なにしろ全身泥だらけなので、これをなんとかしなくては。 靴とポンチョはシャワーを浴びるついでに丸ごと洗ってしまう。さあ、どうやって乾かそうかと見回すと、トイレの便器の前に冬用のヒーターがあった。さらにパリの空港から持ってきた新聞が、ゆうべ鞄から出して捨てようとテーブルの上に置いたままだ。ヒーターの前にごみ箱を起き、新聞を敷いて靴を乗せた。靴の中にも新聞紙を丸めて詰め、さかさまに置く。ヒーターのスイッチを入れた。このヒーター、15秒くらい電源が入るとすぐに切れてしまうタイプなのだが、部屋が暖かくなりすぎなくていいかも。 ポンチョはシャワーヘッドにひっかけておいた。これはナイロンだからすぐに乾くだろう。靴下も洗って、靴のそばに並べる。ジーンズも泥だらけだったが、これは洗ってしまうと絶対に乾きそうにないのでそのまま椅子の背にかけておいた。明日、乾いてからこすったほうがいいだろう。 ここまでやったら猛烈にお腹がすいてきた。昼作っておいたサンドイッチを食べる。これがあってよかったあ。ミネラルウォーターもたっぷりあるし。こんな何もないところで飲むものも食べるものもなかったらほんとに惨めだもんなあ、と今年の正月の L.A.(注)を思い出しながらため息をついた。 お腹も落ち着いたのでベッドに入る。肌寒いので箪笥に入っていた予備の毛布をかけ、さらに部屋の暖房も入れた。8月だっていうのに〜。 ああ疲れた〜、でも楽しかった〜、素敵な夢が見られそ〜、と思ったとたんに眠りに落ち、朝まで夢も見ないで寝てしまった。 (注)大晦日のライヴを SAN JUAN CAPISTRANO で見ました。帰りの飛行機が2日発だったので、翌朝、食事をしてから空港近くのホテルに移動し、チェックインするなり爆睡してしまいました。夜になって目がさめ、さあ、食事でもと思ってホテルの案内を見たら、なんとレストランもコーヒーショップもない! 自動販売機にクラッカー類と清涼飲料があるだけ。このときのひもじさは忘れられません。 |
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