GOING TO BELGIUM


Roots Rock Festival.Nidrum,Belgium,1998 Summer

8月1日の(8)

やがて登場したメンバーに、客席からは WASTED ROCKRANGER なんて声がかかった。

だめだよ〜。それやったら終わっちゃうじゃないかあ〜と騒ぐ私。でも、始まったのが ROCK ME だったのでこれはこれで不安に・・・。まさか、これで終わりになるんじゃ・・・。でも、とりあえずは不安を胸の奥底にしまいこみ、夜空の下で聴く ROCK MEどっぷり浸る。

いやもう、これは最高だった。ホールとかクラブだと客電を落としていても真っ暗、という感じにはならない。非常灯がついてたりして。でも、ネオンも街灯もないベルギーの田舎では、ステージの上のライトのほかには、ほんとに明かりというものがないのだ。暗闇というのは人間の集中力を異様に高めるもので、今までどこで聴いたときよりも曲の持つ「夜の世界」を感じることができた。

そして、またメンバーが引っ込んでしまい、今度こそ WASTED ROCKRANGER かなあと思いながら待っていると、最初に現れたオーディがさっさとドラム台に登っていった。ってことは WASTED じゃないんだ!

次はちょっと下品なやつを行こうか。 TWICE SHY アルバムから

オーディがスティックでカウントをとる。 MISTA BONE が始まった。最初の「いえ〜いぇい」というところを客に歌わせる。ああ、これで終わりかもねえという予想通り、メンバーは去っていった。

時刻は1時半になっていた。周囲を見回すと、ライブの興奮とすっかり濡れてしまったことによるヤケとから、泥の中を転げまわり、プロレスごっこをしている若者たちがいる。あの子たち、きょう家に帰るんだろうか? キャンプしてるんだとしたら、あのまま寝るのかしら(^^;)?

帰り道にはほとんど明かりがなく(なにしろ街灯というものがない)、ふたりで足元を探りながらそろそろと帰る。アメリカと違って危険を感じなくてすむのはほんとにありがたい。

なんとかホテルに帰り着き、暗証番号を押すとドアが開いた。が、Mさんは鍵を持って出ていたが、私は預けてしまっていた。わあ、どうしよう。鍵が置いてある所に行くドアが閉まっちゃってる。ふたりでひそひそ話していたら、昼間レストランで給仕してくれた主人らしき男性が顔を出し、こっちだよと案内してくれた。今夜ここに泊まっている人はみんなフェスティバルに行ったから寝ないで待っててくれたんだな。見ると階段の下の段に鍵が並んで置かれていた。これって不用心なんじゃ・・と思ったが、まあ6部屋くらいしかないし、犯罪なんて起こったこともない村なんだろうな。

入り口のマットでせっせと靴裏をこすってはきたのだが、きれいに磨いてある木の階段にしっかり泥の跡がつく。ごめんなさい〜とふたりで小声で謝りながら登っていった。彼女は1号室、私は3号室ですぐ向かい側だ。

それじゃあ、明日の朝私は7時のバスなので、もうお目にかかれないと思いますけど」「そうね。お見送りしたいけど、きっと起きられないと思う(^^;)。気をつけて帰ってね。日本に戻ったら手紙書くわ。写真も送るから」「私も。もしイギリスに来ることがあったら連絡してくださいね」「うん。連中がヨーロッパでライブやるときには行くから、また一緒に見ましょう」「おやすみなさい」「おつかれさま

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