
GOING TO BELGIUM
8月1日の(5)
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8時頃になって、ステージに人が出てきた。なんだ、さっきローディかと思った若い男の子たちだ。 「ハロー! アーユーレディトゥロ〜ック!」 ヴォーカルの叫びがむなしく誰もいない原っぱに響く。 し〜〜〜ん。 うわ〜さむ〜(^^;) 。 気の毒になって、思わず前に出ていった。なにしろ私は完全装備だから、濡れても平気だし。私が最前に行って見始めると、何人かが続いた。さすが地元バンドらしく、固定ファンがいるようで、ティーンエージャーの女の子たちが十数人、固まって黄色い声援を浴びせている。曲もよく知っていて一緒に歌っている。なら、最初から出ていってあげなさいって(^^;)。
ヴォーカルは元 WHITE LION のマイケル・トランプをほっそりと若くしたような長髪ブロンドで見た目はなかなか。声はそれほど特長はない。ギターが SEPLUTURA のTシャツに黒のレスポール。なんかポップな曲調には合っていないような。時々ヘヴィーなリフも登場するんだけどね。自分たちのやりたい音楽がまだよくわかってないのかなあ、という感じだった。 最初のバンドだから30分くらいかな、と思っていたのが予想がはずれ、1時間近くやって、さらにはアンコールまで。さすがにバンド自身も予想していなかったらしく、曲が用意してなかったので、本編でやったのと同じ曲をもう一度やったのが御愛敬。 次の VENGEANCE が登場したのは9時半くらい。キャリアの長いバンドだけあって、前のほうに熱心なファンが詰め掛けていた。私の隣にいたお兄ちゃんなんて、終始柵から身を乗り出し、叫び、歌い、狂乱状態。まあ、再結成した彼らのライブを見るのはひさしぶりなんだろうから気持ちはわかるが、ちょっとうるさかったし、時々こぶしがあたって迷惑だった。
が、曲が進むにつれ、そのあたりは気にならなくなってきた。なにしろ演奏がものすごくヘヴィーでかっこいい。アルバムを聴いていると、わりあい整合性を重視したメロディアスなロックという印象だったのだが、こうして生で聴くともっとヘヴィーメタル然としたバンドで、ベースやドラムはもちろんギターの音も低音が響いて気持ちいい。キーボードも入るのだが、それがチャラチャラした感じにはなっていないのもいい。レオンの声も、アルバムだとちょっと癇にさわるような響きがときたまあるのだが、こうして生で聴くと力強く気持ちのいい声だ。 最初のうち少しとまどったものの、最後には体が自然に動いてしまういいライブだった。大雨でポンチョのフードをかぶってなかったら、もっと思いきり首が振れたんだけど。野外で、ろくなサウンドチェックもできなくてこれだけ出来るんだから、やっぱりかなり実力のあるバンドなんだ。
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