
GOING TO BELGIUM
8月1日の(4)
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サウンドチェックも終わりらしく、メンバーはみんな奥に引っ込んでしまった。
そろそろ開場時間になるので、チケットをまだ入手していなかったジェローンたちは、いったん外に出された。電話予約していたのでゲートで引き換えなくてはならないらしい。私たちはセキュリティにチケットを渡したら、2日間用のピンクのリストバンドを手首にはめてくれたので、そのまま残っていいことになった。 スタッフだかローディだか見分けがつかない人たちが10数人、ステージの上を行ったり来たりしている。中にはほとんど何もしないで、ただ行ったり来たりしているだけみたいな人もいる。大勢で仕事してると、必ずいるのよね、こういう人。 このあたりで雨が降り始めた。SHOWERS というからこぬか雨みたいなものかと思っていたら、とんでもなくて、けっこうザンザン降りという感じだ。開場になって入ってきた人たちも入り口近くのテントの下でビールを飲んでいるだけで、誰も私たちがいるステージのそばには来ない。 あわてて傘をさすMさん。でも、ライブが始まっちゃったら傘はさせないよね。おまけに着ているものは薄手ジャージーのワンピースにジャケットだけ。まあ、ジャケットが幸いなことに長めのビニール製だったので濡れることはないけど、大きく開いた襟元がとっても寒そう。 「ねえ、場所とっておくからホテルに戻って何か着てきたほうがいいんじゃない。タオルとかも持ってきたほうがいいし」と言うと、「マイケルの前とっておいてね」と出かけていった。
ポンチョを着て、誰もいない最前列にしばらく立っていたが、あまりにも馬鹿みたいなので、楽屋口の前に座っているセキュリティの所に行き、パラソルの下に入れてもらった。少し立っていると「どうしてこんなとこにいるの? あっちのテントの下なら雨にも濡れないし、人もたくさんいてあったかいのに」とセキュリティが聞く。「うん。わかってるんだけど最前をキープしたいもので・・・」「今からキープしてなくてもどうせみんな前に出たり後ろに引っ込んだりしょっちゅう動くよ」「そうなんだけどねえ・・・」 でも、確かに雨の中、原っぱに出てる人なんてひとりもいない。なんだか恥ずかしくなってきて横のテントの下に避難した。やがてMさんも帰ってきてテントの下に入った。 しかし・・・「ねえ、ほんとに着てきたの?」「うん、ほら」ワンピースの下から薄手のTシャツを引っ張り出して見せた。「でも、それじゃああんまり変わらないじゃない。マーチャンのTシャツとかも着ればよかったのに」「だってモコモコになっちゃうもの」「・・・・・・」なるほど〜。ステージから見たときにモコモコに着ぶくれていたくないわけね。若い女性って頑張るのねえ。思いきり着ぶくれ たうえに雨蛙みたいに真緑のポンチョ を着た私って「おんな」を捨ててるのかも。でも、風邪ひいちゃったら明日の THUNDER が見られないし・・・。
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