GOING TO BELGIUM


Roots Rock Festival.Nidrum,Belgium,1998 Summer

8月1日の(1)

7時頃に牛の声で目がさめた。外の道路を車がけっこう通るのだが、それに混じってパカパカという蹄の音もする。

朝食は8時半からと書いてあったので、8時半ジャストに下に降りる。きのう見たレストランの隣りにもう少し小さな食堂があって、そこに朝食の用意がされていた。ちゃんとひとりずつの席にパンとチーズ、サラミ、ジャム類がセットしてある。コーヒーか紅茶か聞かれたのでコーヒーをお願いした。パンはフランスパン生地のプチパンとけしの実がまぶされたものの2種類が5個もかごに盛ってある。まずはチーズとサラミをはさんで1個。次になつめやしのシロップと書いてあるジャムにトライ。これはブランデーが効いていて、ものすごくおいしかった。お土産に買って帰りたいけど、リエージュ産と書いてあるから空港では売ってないだろうなあ。あのよろず屋だと大壜になっちゃいそうだし。パンがおいしくていくらでも食べられそうだったけど、あまり食べ過ぎると動けなくなるので、このへんでストップ。

食事が終わりかけた頃に給仕をしてくれた女性が、名刺のような白いカードを持ってきた。これがあなたの暗証番号よホテルの住所を印刷した裏に手書きで1980と書いてある。なるほど、こうして教えてくれるのか。だからあのおばさんは番号を知らなかったのね。

いったん部屋に戻り、カメラを持って外に出た。このへんをちょっと散歩しようと、会場とは反対の方向に歩いてみた。が、行けども行けども農家と牧場しかない。歩いているうちに飽きてきちゃって、またすぐにホテルに戻った。きょうは19:00開場だから、それまですることないなあ。まあ、サウンドチェックがあるだろうから、17:00くらいには行っておいたほうがいいと思うけど・・・なんて考えながら昼 頃までベッドでダラダラしていたら、ノックされてしまった。ずっと部屋にいたもので、掃除が出来なかったのね。すみませ〜ん(^^;)

行くとこもないので会場に行ってみる。まだ昼ちょっと過ぎだというのに会場前には人がたまっていて、仮設のカフェみたいな所のベンチでビールを飲みながらお喋りしている。近づくとエドガーがいた。目が合ったのでこんにちはと挨拶する。コーヒーかビールしかなかったので、ビールをもらい、ベンチに座った。隣りの男の子に英語話しますか?と聞いたがノー

う〜む、こっちの人って意外に英語話さないのねえ。情報を集めることもあきらめて、ビールを飲みながらお日様の光をしばし楽しむ。ちょっと涼しいが、まあ気持ちのいい夏の日だ。しかし、ここにいる人たちは夜の7時までここにこうしているつもりだろうか。

みんな顔見知りらしく、道を通る人に声をかけ、引っ張り込んで話をしたりしている。最初見たときは、みんなメタルTシャツを着て、それ風の人ばかりかと見えたが、よく見るとそうでもない。バンドのロゴが入ったTシャツを着てる人は2割くらいかも。あとはただ絵が付いてるだけ、字が書いてあるだけで、その絵が白熊だったり漫画だったり文字がハーレー・ダビッドソンだったり意味もない言葉だったり(大きく DUTCH=オランダ人 と書かれたTシャツを来た女の子が通ったときには、座ってるベルギー人の間から爆笑が聞こえた)。中年以上の人はTシャツですらなく、ごく普通の服装だ。

駐車場に入っていく車も、大きなバイクはほんとに数えるほどで、あとはごくふつうの小型・中型乗用車。えらく地味なフェスと言える。その分、怖い人たちもいなくて私は安心したけど。塀の内側を覗いてみたが、まだスタッフがステージを組み立てている状態で、サウンドチェックには至っていない。

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