GOING TO BELGIUM


Roots Rock Festival.Nidrum,Belgium,1998 Summer

7月31日の(1)

パリ着は朝の4時。乗り継ぎ便はまだないので、ここでしばらく待つことになる。が、このときにちょっとしたアクシデント。空港ロビーに出る前にセキュリティを通らなくてはならないのだが、係の女性は早朝で眠いためか異様に不機嫌で、いくら私が高感度フィルムなんですと言って現物をふりかざしても首を振って許してくれない。あくまでもX線に通すためのベルトに乗せろというので、とうとう最後には負けて乗せてしまった。大丈夫だろうか。せっかく撮っても真っ黒なんてことになるんじゃないだろうか・・・。あっちで1600のフィルムなんて簡単には買えないだろうなあ。

エールフランスのビジネスクラス用のラウンジで待つ。夜便の客はエコノミーでも使えるようになっているのだ。ただし6時まで。コーヒー、紅茶、ミネラルウォーターなどを適当にとりながら、ソファに横になって、みんな自分たちの乗り継ぎ便が出るまで時間をつぶす。現地に行って、食事をとりはぐれたときのために、マドレーヌとクッキーをひとつずつ頂戴する。

6時になったのでラウンジを出て、ブリュッセル行きの飛行機が出るF HALLへと向かった。ここはB HALLなので、いったん外に出てバスに乗る。バスはAを通ってからFに止まった。この HALLには初めて来たが、超現代的な建物。ガラスとステンレスの骨だけで出来ている宇宙船みたい。天井だけでなく周囲がすべてガラス張りなので広々していて気持ちがいい。ただし、寒い

早朝ということもあるが、広々しすぎていて空調が効かないのだと思う。いかにもフランス人が作りそうな建物だ。薄着の女性客などは、赤いエールフランスの毛布を肩からかけて難民状態。機内から持ってきちゃったのかと思ったが、何人もいたところを見ると、この HALL で貸してくれるらしい。どうやらここはエールフランス専用のHALLみたいだ。フランス語、英語の代表的な新聞が積み上げてあり、自由にとってよい。暇つぶしに FINANCIAL TIMES をとった。

すぐに搭乗アナウンスがあったので、荷物になる新聞は捨てていこうかと思ったが、イギリスの音楽界の動向に関する記事が途中だったので、列車の時間待ちのときにでも読むかと思い、そのまま持って搭乗した。これがのちのちとても役に立ってくれるとは、このときの私には予想もつかなかったのだが。

搭乗口からまたバスに乗る。広い滑走路を延々と走り、端の端まで来たあたりで止まった。待っていた飛行機はとても小さい。機体には DEVONAIR と書いてある。そういえば搭乗券に過密なオペレーションの関係で乗り継ぎ便が当社のものでない場合がありますが、サービス面においては同等のものを提供するつもりでおりますので御了解くださいと書いてあったっけ。

朝食が出されたが、これはちゃんとフランス産のハムやチーズを使っているからおいしい。クロワッサンもブリオッシュもちゃんとした味。なにしろ成田からの飛行機は食材がすべて日本製なので、たとえエールフランスといえども、決しておいしくなんかないのだ。あっちの朝食をパスしておいてよかった。

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