
WALKING IN TUNISIA
PART 54(1/5)
私と友人だけ別のテーブルをとって食事をしたのだが、これはなかなかスリリングだった。なにしろ、向こうのテーブルは団体向きに用意されていたから、あとからあとから料理が運ばれてくるのに、こっちは中国時間でしか進まない。でも、あっちのテーブルは、チャーハンやらマーボードウフやら、日本で食べるのと変わらないような料理が多かったみたいだ。結果としてはよかったのかも。
新萬寿賓館の昼食
豆腐ときのこの辛いスープ 焼いた豆腐のいためもの・・・焼き豆腐とは違って、薄切りにした豆腐を中華 鍋で焼きつけて香ばしさを出したもの とり肉の酢豚風・・・日本の酢豚みたいに甘ったるくなく、すごくコクがある 油菜と牛肉の焼きそば・・・かた焼きそばの上にとろっとした油菜と牛肉のい ためものがかけてある モグラ氏が、いきなり近づいてくると友人に
「こちらでは手に入りにくいでしょうから」と言って、使いかけのしょうゆとウェットティッシュの箱を差し出した。これって、荷物を減らしたいだけなのでは。でもまあ、友人は素直に喜んでいた。日本製のしょうゆは手に入りにくいらしい。
そそくさと食べ終え、ウェイターに勘定書きを持ってくるように頼んだ。私は人民元を持っていないので、御馳走になるしかない。まあ、それほど食べなかったし・・・。
ところが、友人の顔が蒼白になった。
「え、どうして? こんなことって・・・」
絶句したもののすぐに立ち直るところは、さすがに私の友人だ。なにやら中国語で言うと、勘定書きを突き返した。
「危ないったらありゃしない。あれ、あなたたちのツアーのほうのお勘定よ」
そりゃ驚くわ。いきなり40人分の勘定書き出されたら。
「ちょっと待って。ひとりいくらくらいになるか計算してみるから・・・」
「まあ! 1700円よ。安くあげてるものだわね」