
WALKING IN TUNISIA
PART 48(1/3)
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今回のツアー最後の観光、シディ・ブ・サイドに着いた。 「では、*時にバスまでお戻りください。ただし、今回はもうあとの予定がございませんので、帰りはカラスの勝手ということにしてくださって結構です。電車で帰りたいという方は、お好きなようになさってください。集合時間にいらっしゃらない場合は、そう判断させていただきます。点呼はとりません」 おお、自由行動だ! シディ・ブ・サイドはリゾート地で、アフリカのサントロペと呼ばれている。金持ちの別荘が多く、チュニジアン・ドアの美しさで有名だ。 私も、今回せっかくEOSを持ってきたのだから、ここで絵葉書のような写真を撮ろうとひそかに期待していた。 が、バスを降りて歩き始めたとたんに雨が降り出した。雨に煙る海とグレーの空に向けてシャッターを切る。 無念(‐_‐)。 ここには観光客御用達として有名な「カフェ・ナット」がある。『地球』にもでかでかと出ている。もちろん行った。 で、ご自慢の松の実入りミントティを飲み、水タバコを吸ったのであった。店内は実にエキゾチックだ。赤と緑の縞に塗り分けられた天井と柱は、ちょっと床屋を思わせる。木のテーブル席と、靴を脱いであがる棧敷席があって、日本の茶屋の雰囲気もある。古い水差しややかんなどが所狭しと並べられていて、まあ、あざといといえばあざといけれど、日本のそれ風喫茶店よりは日常から掛け離れていないと思う。 室内を撮ろうと一生懸命ピント合わせをしていると、横に座っていた欧米人観光客が身を乗り出して眺めている。どうやらオートフォーカスのレンズが、ぐぃんぐぃんと伸び縮みするのに驚いたらしい。 そばでその様子を見ていたタヒルが、ニコニコしながら、「ジャパン、オートマチック」と言ってVサインを出した。 |
シディ・ブ・サイド1
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