
WALKING IN TUNISIA
PART 45(1/2)
ホテルに戻り、夕食までのひととき、ゲンジの部屋でみんなで遊んでいた。
「RRRRRRRRR」
電話が鳴った。顔を見合わせる。
「多分ラサドよ」
「あら、いやだ。誰か出てよ」
センセが受話器をとった。
「ハロー?」
断わっておくと、彼女の英語はものすごく破天荒だ。
「なんか、この部屋に来て話がしたいって言ってるみたいよ」
「忙しいって言って」
「え〜ラサド。ウィーアービジー。ホワットドゥユウドゥ?」
通じているのかいないのか、ラサドはなおも食い下がる。
「オールメンバーズヒヤ。ユーヒヤーラーフィング?」
なおも食い下がる。
「困ったねえ。お風呂に入ってるとか言ったら?」
「え〜ラサド。ゲンジ、ビューティ?」
きゃあ、何言ってるのぉ。
「ゲンジ、テイキングシャワー。テレホンストップOK?」
向こうがまだ何か言ってるのに切っちゃった。
いやはや、しかしラサドにも困ったものだ。そういえばきのうの夕食の時もゲンジのことばかりじと〜っと見てたしな。まあ、ゲンジの態度にも一因はあるんだけどね。彼女は誰に対しても同じ態度で接するし、すごく人なつこい。だから、ちょっと見ると、すごくひっかけやすい女の子に見えるのだろう。
さあ、そろそろディナーショーの用意をしなくては。