WALKING IN TUNISIA


PART 4(12/26)

さなロビーにスーツケースをごろごろ押す集団が入っていったもので、フロントマンは「ボンジュール?」と声をかけ、リアクションを待つ。当然だ。

ところが・・・誰も返事をしない。

そのままロビーのソファに突進し、グループごとに座ってしまった。フロントマンとボーイが当惑したように眺めている。

これはまずい(;・_・)(・_・;)。

いくら言葉が通じないからって、失礼だ・・・と思っていたら、ツアーメンバーの中で最年長と思われるお年寄りが、よろよろとフロントに。

「ぐっどい〜ぶにんぐ」

ああ、よかった。このおじいちゃん、英語が堪能なんだわ。フロントマンも安心してにっこりした。

しかし・・・残念ながらそのあとが続かなかった。「あふた〜あふた〜」と一生懸命状況を説明しようとするのだが、複雑すぎて文章にならない。ここでようやく私も手伝わなくちゃ、と気がついた。おじいさんが不自由な言葉を操ってまで誠意を見せているのに、言葉に自信がないからって引っ込んでちゃ女がすたる。←それほどのもんでもないか(^^;)

「え〜と、われわれは団体旅行の客であるが、バスが小さくて添乗員が乗れなかったのだ。彼は次のバスに乗ってくるから、手続きは待ってほしいのである」

く、く、くるしい。

しかし、なんとかわかってもらえたようで、フロントマンは警戒をゆるめた。

モグラ氏たちを待つ間に、客同士で情報交換する。明日はチュニスに向けて出発するのが午後なので、それまでの時間でパリを見物するつもりだった。ただ、オルリーからバスで10分というホテルだから、あんまり余裕はない。できれば一緒に行く人をみつけたほうが安心と思っていたので声をかけてみたら、4人がのってきた。いずれも女性で、60代、30代、それに娘のほうが私くらいの母娘。明日の朝、食堂で待ち合わせることにする。

相部屋の私は、例の<旅慣れOL>集団のひとりと一緒になった。聞くところによると、神戸から来た姉妹(彼女は妹のほう)+姉の友人という3人組なんだそうだ。想像したとおり、ツアーでの旅行歴が長く、最近では「ヨーロッパなんてちゃんちゃらおかしくて」トルコ、エジプトなどを巡っているらしい。

さあ、もう寝なくちゃ。


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