
WALKING IN TUNISIA
PART 3(12/26)
パリ・オルリー空港に無事着いた。
「私はここにいますから、早くご自分の荷物をみつけて、集まってください」
紺の上着にグレーのズボンという正しい添乗員の服装で(どうしてどこの会社もこうなんだろう?)、バスの車掌さんみたいなカバン(紐が極端に短い)を斜めがけした姿で、自分のスーツケースをしっかり抱えて座りこんだモグラ氏が言った。
「ちょっとぉ、こんなのありぃ。ふつう添乗員がみんなの荷物探してくれるもんじゃないのぉ」
<ツアーの内容にはちょっとうるさいでぇ>OL風の、3人連れの若い女性がぼやいてる。バス乗り場に向かうときも、「ポーターくらい雇わんかい」という声がした。ふむ、そういうものなのか。
私は、今回の旅行に備えて底に車がついたスーツケースを買った。今までは、かついで走れるくらいの大きさと重さのバッグしか持ったことがな かったので、ギャップが大きすぎてスーツケースの半分も荷物が詰められず、しかたがないからエアーキャップ(壊れ物を包むときに使う空気の入ったビニールね)を詰めてきたという・・・。だから、持ち運びには特に痛痒を感じないけどね。
出迎えのバスが10人くらいしか乗れないサイズだったので、とりあえずモグラ氏はあとの便に乗ることになり、私+10人くらいが先にホテルに向かった。