
WALKING IN TUNISIA
PART 34(12/31)
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朝食をとりに食堂に行くと、薄暗く人気がない。そりゃそうだ。みんな明け方まで騒いでいたんだから。元旦の早朝から観光に出かける客なんて、私たち日本人くらいでしょう。 夕べの約束通り、テーブルにはカップ雑煮が配られている。隅のテーブルで暗い顔で食事をしていたモグラ氏が「ボーイに言えばお湯を持 ってきますから」とひとこと。それほど食べたいわけじゃないけど、せっかくだからお湯を頼み、食べてみる。なんというか、まあ、化学調味料の味。 ロビーには、きのう食事中に回っていたカメラマンが撮った写真が貼られていて、希望者に売っている。このまま晒しものにしておくのも恥ずかしいので買ってしまった。 午前の観光の最初は、エル・カンタウェイというヨットハーバーへ。ヨーロッパ風のこぎれいな建物が並び、カフェも女の子好みにラブリー。 暮らしやすいと見えて、猫がそこらじゅうにうろうろしている。しかし、こういうところは長期滞在者がラフな服装でぶらぶらしてるところで、コートを着てカメラを下げた集団がぞろぞろ歩いている光景は、不気味なものがある。自分がその中にいるということが信じられない。 次のナブールに行く途中で、トイレストップがあった。ここで、別の日本人ツアーと遭遇。なんとこの中には、60代の実の妹さん、4人家族の知人、モグラ氏が前回のツアーで添乗した客がいたのだった。そこかしこで新年の挨拶を交わす人々。「世間は狭い」と言うか、「類は友を呼ぶ」と言うのか・・・。 ここのカフェで、鍋から湯気をあげているものがとてもおいしそうで、うらやましそうに見ていたら、おじさんが1杯よそって御馳走してくれた。ひよこ豆にクスクスとハリーサ(とうがらしのペーストのようなもので、チュニジアのしょうゆと呼んでいいのかな)を混ぜたもの。熱々で、辛いけどすごくおいしい。 レストランで出てくる民族料理は、どれも「こんなものなのかなあ?」という感じだったけれど、やっぱり地元の人はこんなに簡単でおいしいものを食べてるんだ。 |
エル・カンタウェイ
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