
WALKING IN TUNISIA
PART 32(12/31)
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午後はエル・ジェムの遺跡に向かう。 バスの窓から眺めていると、やたらと新築中の家が多い。それほど景気がいいとも思えないのだけれど、やはりアフリカの中ではそこそこ経済が安定しているだけに建築ラッシュなんだろうか。 しかしこの家が、かなり心許ない建て方をしている。積んである煉瓦を見ると、素焼きでスカスカした、ちょっとした高さから落としたら簡単に割れてしまいそうなもろさ。この煉瓦をただ積み上げて、漆喰で固めてあるだけなのだ。平屋の1軒屋ならともかく、都市の建築中のビルを見ても、どうも同じ工法らしい。これじゃあ、地震が来たらひとたまりもなく崩れちゃうのでは・・・。 時々さーっと雨が降る。傘をさす人などいない。急ぐふうでもなくゆうゆうと歩いている。どうせすぐにあがって日が差せば、濡れた服も乾いてしまうからね。 地平線の端から端へ、ものすごく大きな虹がかかる。 エル・ジェムはローマ式の円形劇場で、保存状態はかなりいい。外壁はほとんど残っているし、通路を上のほうまで登っていくこともできた。例によって石の壁には世界各国のいたずら書きがいっぱいだけれど、中にトウガラシの絵を彫ったものがあった。いつごろの人だろうか・・・。 遺跡を見たのでみんな満足して、機嫌よくバスにもどる。今晩の宿スースに向かって出発だ。 |
エル・ジェム
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