WALKING IN TUNISIA


PART 29(12/31)
のホテルでようやく郵便ポストを発見。

トズールの博物館前でも、黄色いポストがぽつんと立っているのを見たのだが、はたしてあの中に入れて、本当に日本まで届くのかどうか不安だったので見送った。

でもまあ、ホテルなら安心というものではないかも・・・<MAIL>と書いてはあるが、その実態は白い鳥篭だというのがいささか不安ではある。

この朝提示されたオプショナル・ツアーは、近くのナツメヤシの林を馬車で走るというもの。あまり魅力的な企画とは思えない。みんな躊躇してる。

「料金は5ディナールだそうです」
「それは何分くらい乗っての値段ですか?」
「日本人の国民性が出ちゃいますね・・・1時間くらいだそうです」

どうしようかなあ・・・

「もちろん、馬車には乗らずにこの辺を散歩していただいてもけっこうでございます。ただ、ひとつご注意申し上げますが、ナツメヤシ泥棒対策に林の中に番犬が放してあります。これが警戒心の強い犬ですので、うっかり近づくと噛みつかれます」

ほとんど全員が馬車に乗ることになった。

しかし、この馬車がつらかった。いくらチュニジアだって、冬の朝は寒いのだ。そんな所を、風を切って走る馬車に乗る人間なんて、ふつういない。うしろを振り返れば、モグラ氏はしっかりバスの中に残っていた。

1台に3人くらい乗れるのだが、シートがビニール張りですべるうえに、馬車が揺れるから、うっかりしてると振り落とされそうになる。

やっとのことで折り返し点まで来て、土産物屋の前でいったん降ろされた。なにやらモウモウと煙りがたちこめている。見ると土地の人が集まって焚き火をしてるではないか!

「わ〜ぃ!焚き火だ焚き火だ落葉焚き」とばかりに混ぜてもらい、冷えた体を温めた私たちであった。しかし、寒い日に火を囲んでなごむ習慣というのは、万国共通なのだな。これで、焼き芋でも焼いていたら申し分ないのだが・・・。

土産物屋の店先に、小石のようなものが積まれている。

「これはな〜に?」
「シャンプー」
「へっ?」
「ベルベル人のシャンプーなんだよ」

おもしろい。買って帰ろう。←帰国後、使ってみたが、水に濡らすと粘土のように白く溶けてくる。これを髪にこすりつけて、泥のパックみたいにするのかな。泡は立たないし、シャンプーと呼ぶのはちと難しいものがあった。

近所のおじさんが紐をつけた犬を連れて散歩、と思ったら山羊だった。子山羊が2匹、うしろからトコトコついてくる。おじさん、店の前まで来ると、そのへんの椰子の木に紐を結びつけて、買物に行ってしまった。山羊はあたりの草を食べておとなしく待っている。

帰り道もまた風にびゅうびゅう吹きまくられながら、ようやくのことでバスにもどった。

「楽しかったですか?」としらじらしく聞くモグラ氏に

「どうして行かれなかったんですか?」と聞き返す。

「私、風邪ひいてるもんですから」

「(・_・)」

ようやく暖かくなってきた街に出て、スパイス市場に入る。ここは、あらゆる種類のスパイス、香料、乾物がメインに売られていて、今ま で見たところとはひと味違う。何に使うのか、イグアナの干物が篭に無雑作に盛られている。どう見ても枯れ木としか思えないものはお香、石のようなものは化粧品らしい。

ピーマンのように大きな、干したとうがらしがピラミッド状に積まれている。観光客用には小袋に分けたものがあるが、地元の人達はみんな計り売りで買っていく。古色蒼然とした計りで計ってもらいたくて、ついついとうがらしとにんにくとそら豆を買ってしまった。私ってば、どうするつもりなんだ(^_^;)。

ガベス






スパイス市場







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