
WALKING IN TUNISIA
PART 25(12/30)
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いよいよ塩湖ショット・エル・ジョリドが見られる! 塩湖というのは、土中の塩分が結晶化したものが一面に広がって、湖のようになっているもので、今回の旅行ではマトマタと同様、私としてはすごく期待していたものだった。夏には蜃気楼が現われるらしいのだが、残念ながら今回は冬の旅なので見られない。 バスは両側を湖に挟まれた細い1本道を走っていく。やがて、他のバスやランドローバーが止まっているあたりで駐車した。『地球』にも載っている草葺きのカフェがあったが、土手の上に立っている様子は、さびれた海の家のようだった。 「さあ、トイレとお買物に行きたい方はどうぞ」 というモグラ氏の声にみんながバスから降りた。 トイレはどこだ? あ、あった、あった。湖の中ほどにあるWCとペンキで大きく書いた建物のほうに歩き出す。 「あ、違いますよ。トイレはそこのカフェの中です」 あれ? そうなのか。でもまあ、トイレにはそれほど行きたくないし、このまま湖の中を散歩しちゃおう。 雨季で毎日雨が降っているため、結晶は水気を含んで湿った砂のような感じ。ところどころに水たまりができている。どこまで歩いても同じ景色。平べったい塩の平野が延々と続いている。こんなところで迷子になったら悲惨だろうなあ。と、急に怖くなってみんなのいるほうに戻った。 センセとゲンジは、湖の中に置いてあるデッキチェアでくつろいでいる。このふたりは、いつでもどこでも「お茶しちゃう」特技を持っていて、ほんの数分のトイレストップの間に、しっかりカフェに入ってミントティを飲んでたりする。 「ねえ、あのWCって書いてあるの、トイレじゃないの?」 「トイレはトイレだけど、近寄らないほうがいいわよ。すごいから」 どうやら煉瓦の壁が1枚立っているだけで、その両側に「それ」が堆積しているらしい。ゲゲゲゲ。しかし、最初の人はともかく、溜まり出してからそこでした人って、何を考えているんだろうか。 ドゥーズに向かうバスの中で、60代がおずおずとモグラ氏に質問した。 「あのぉ、ローズ・ド・サハラの店にはいつ連れていっていただけるんでしょうか?」 「あれ、さっきショット・エル・ジョリドで降りるときに、お買物とトイレはどうぞ、と言ったの聞こえませんでした? 今までだってそこらじゅうで売ってたと思いますけど。ほかのみなさんはさっさと買われてましたよ」 「でも、特別いいお店に案内してくれるのかと・・・(声が小さくなる)」 「土産物なんて、どこで買ったって違やしませんよ!」 その言い方はないんじゃないの!? 腹を立てたらお腹がすいた。けさは早起きだったからなあ。昼食はドゥーズのホテルでビュフェ形式。あんまりがっついていたものだから、内容についての記録なし。オリーブがおいしかったことだけ書いてある。 食後の腹ごなしはラクダ乗りだ! |
塩湖
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