
WALKING IN TUNISIA
PART 22(12/29)
ネフタのホテルは、『地球』のホテルリストにも載っていなかったので、なんの期待もしていなかった。 だから、着いてみたらプールのある宮殿風の建物だったので、みんなニコニコ顔になってしまう。ちゃんとウェルカム・ドリンクも出てきたし。
しかし、幸運なんてそうそうあるもんじゃないのだ。どうもフロントのところで、モグラ氏とラサドがいつまでも話しているとは思っていたのだが、やがてモグラ氏が暗い顔をして近づいてきた。
「大変申し上げにくいのですが、オーバーブッキングしてしまいました。恐縮ですが4人家族の方々と神戸3人組の方はそれぞれ4人部屋に、ひとり部屋の男性おふたりは2人部屋に、ひとり部屋の女性のうちどちらかおひとりはSHOH様とご一緒の2人部屋にお入りいただけないでしょうか?」
私たちのツアーは総勢22名。そのうち、ひとり部屋希望は男性3名、女性2名だ。4人家族と3人組は問題なかった。男性2人もすぐに承諾した。
が、残る女性2人は、どちらもなかなか「うん」と言わない。それはまあ、もともと1日1万円余分に払ってでもプライバシーを大事にした いと思って参加したわけだから気持ちはわかるけど・・・それとも私と相部屋ってのがそんなにいやなのかしら?
あんまりいつまでも決まらないものだから、聞いてるだけでイライラしてきちゃって、「あの、私は元々誰かと一緒でもかまわないということで2人部屋を希望していたのですから、よかったら3人組と一緒の4人部屋に入れてください」と言ってしまった。
実際に部屋に入ってから後悔したけど、後の祭り。一応ベッドは4つあるが、全員がスーツケースを床に広げると、足の踏み場がない。トイレだってシャワーだって4人ともなると順番待ちが大変なのだ。
オーバーブッキングするくらいだからレストランも大混雑で、ビュフェ式なのに食べ物のテーブルにたどり着くまで、お皿をもって30分も並んだ。ほんとに収容所みたい。
夜、中庭の中近東風のプールに姿を映した月が美しかった。