
WALKING IN TUNISIA
PART 21(12/29)
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あっという間に時間はつぶれ、今夜の宿へと向かう。 今夜泊まるオアシスの街・ネフタは、「ネフタの花篭」と呼ばれる美しいナツメヤシ林で有名だ。バスは途中の高台に止まり、砂がすり鉢状になった底の部分にあるそのナツメヤシ林を見物させてくれた。 が、いまいちピンとこない。花篭というほど美しくない。緑の葉が砂ぼこりで白茶けていて、みょうにほこりっぽい風景としか見えない。でもそれは、水が豊富で四季のある日本に住む人間の贅沢な感性。砂漠に住み、一木一草が大事な場所に住んでいる人々にとっては、あのナツメヤシ林がすばらしく美しく見えるのだろう。 そんなことを考えていると、下のほうから「わんでぃなーる、わんでぃなーる」という声がする。6〜7歳の男の子たちが両手にローズ・ド・サハラを持って、売りつけようとしているのだ。 「これ、ふたつで1ディナールでいい?」 と聞くとすぐにうなずく。しまった、もっと安いものだったかも・・・砂漠から持ってきちゃうだけなんだものね。 でもまあ、こんな重いもの、そうは持って帰れないからいいや、とお金を払うと、そばにいたオッサンが「これも持ってけ」といって、少し形がいびつなのをオマケにつけてくれた。なんかよくわからない流通系(^_^;)。 60代は「あら、買われたのね。私も欲しいのだけれど、スケジュールに<ローズ・ド・サハラを売っているマーケットを見学>と書いてあるから、それまで待つわ。品質が違うでしょうから」と誰にともなく言っている。こんなものに正規版と海賊版みたいな品質差があるのだろうか? |
ネフタ
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