WALKING IN TUNISIA


PART 20(12/29)
んとは今日、ランドローバーでアルジェリアとの国境近くまで行く予定だった。これは、もともとの日程にはなくて、アリッサ・ボヤージュのほうから提供されたオプショナル・ツアーだったが、33ドルという「いいお値段」にも関わらず参加希望者が多くて、過半数が行くことになっていたものだった。それが、ランドローバーの予約がうまくとれなかったらしく、今日の午後がぽっかりあいてしまった。

これはもうスークに行くしかない。

ひなびた街だから、スークもそれほどたいした規模ではないし、人出も少ない。でも逆にのんびり歩ける。

肉屋の例の牛首、ここでは干からびて皮だけになり、鼻も耳もほっぺたも垂れ下がった哀れな姿をさらしていた

石畳の両側に石を積んだ建物が続く路地には、壁一面にカラフルな絨毯が掛けられて、売り手を待っている。路地の上空にアーチのように掛けられているものもあり、さながら色彩で埋めつくされた空中楼閣だ。

ここの絨毯は、イスラムでは珍しく人間やラクダの形が幾何学的な模様になって織り込まれているのだそうで、見ていて楽しい気分になってくるのはそのせいかも。

小さな店でチュニジア音楽のテープを買った。店番の男の子に「伝統的なのがほしい」と言ったら、「これだこれだ」と出してきて、ラジカセにかけてくれる。「ちょっと違うな」と言うと、次のを出してくる。開封も未開封もあったもんじゃない。いくらでも商品を聴かせてくれるんだから、これなら絶対に失敗しない買物ができるぞ。

田舎のスーク


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