WALKING IN TUNISIA


PART 14(12/28)
の頭の中では、メディナとスークがごっちゃになっていたのだが、どうやらメディナは旧市街、スークは市場のことらしい。ただ、旧市街にはたいていスークがあるので、同じ意味で使われることが多いようだ。

バスを降りる前にセンセが、「あのぉ、メディナというのは危険じゃないんでしょうかぁっ!」とモグラ氏に聞いた。ちなみに彼女の声はすごく大きい。

「危険か危険でないか、と聞かれますと、これはまあ、わたくし自身の保身を考えますれば、それはもう『危険です! 危ないからやめましょう!』と答えるべきなんでしょう。しかしながら、ここはですね、OWN RISKというふうにお考えいただけませんか・・・」

「ある人がニューヨークに言ったときのこと。ホテルのボーイふたりに、ダウンタウンに行こうと思うのだが、行っても安全だろうか、と聞いたんです。ひとりのボーイは"OF COURSE NOT" と答え、もうひとりは"WHY NOT "と答えたそうです。ことほどさように、危険に対する認識は人によってマチマチなわけで。第一、外国がそんなに怖いなら、4畳半で炬燵に入ってミカンでも食べてればいいんですよ」

「ま、だいじょうぶでしょう! いざとなったら、わたくしが会社やめりゃいいんですから」

(^〜^;)ゞナンダカナア

というわけで、オウンリスクをそれぞれに抱えた一行は、おずおずと固まってメディナに入っていったのであった。

が、いったん中に入ってしまえばこっちのもの。

初めて見るスークは刺激がいっぱい。確かにここは色彩と香りの宝庫だ。赤ピーマンみたいに大きなとうがらしを乾燥させて、紐でつないだものが七夕飾りのようにぶら下がっている。青、ピンク、黄色と色とりどりのプラスティックの箱にはあふれんばかりのスパイス類。日本では高価なサフランも、ここではひと山いくらだ。決めた。お土産はこれだ!

キシュバルを買おうと1軒の店に入る。実際に着てみるとかなり重い。しかも脱脂していないウールだから臭い。ちょっとひるんで値段を聞くと55ディナール! さらにひるむ。おまけに私が欲しい色は今店にないから、どこぞから取り寄せて、私がその晩泊まるホテルまで送ると言う。その運賃が10ディナール。

「え〜っ、両方で65ディナールだなんて、めちゃくちゃ高いやんけ」←なぜか値切ろうとすると関西風になってしまう(^_^;)

「33でどう?」と言ったら「40」と来た。でも、よく考えてみたら、こんなの東京で着て歩いたら見せ物だわ。

「ごめんね、おじさん。やっぱりやめたわ」と、追いすがるオヤジを振りきって脱出した。

スーク買物行は続く。

スーク(1)








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