WALKING IN TUNISIA


PART 11(12/28)

の水道橋だが、ハイウェイの途中にいきなり現われた。標識も、門も、看板も、なんもない。

「あ、これです! ではバスから降りてください」

心の準備もないまま、みんなでぞろぞろバスを降り、道路際まで歩いていったが、どうも心もとない。チュニジアに来て初めての歴史建造物との遭遇で、気おくれしてしまったのだ。

おずおずと近寄って記念写真を撮り始める人がいて、ようやく他の人たちも金縛りが解けたように「そうだそうだ」と近づき始める。

「げっ、なんだこれは!」

朝露に濡れた、たんぽぽのようなギザギザの葉っぱの草を写真に撮っていたら、やたらと白いものがくっついているのに気がついた。よく見るとカタツムリだ。ものすごい数のカタツムリがここにもそこにもあそこにも・・・そう言えばバスの車窓から見ていたら、電信柱がなにか白いものでびっしり覆われていたんだけれど、あれって・・・う、吐き気が。

感動したんだかどうかわからないままにバスは出発した。

街に入る前に、貯水池の近くにある観光局でトイレストップ。トイレだというのに、天井についたシャンデリアがあまりにもきれいなので写真に撮る私。 水で流すためのバケツと水道の写真も撮ろうとしたのだが、「まだか」と言わんばかりに扉を叩かれてしまった。

朝方降った雨で、道路はグチャグチャのぬかるみ状態。ちょっと歩いただけで、靴の踵が泥で高くなってしまった。こっちの人は長い服を着てるから大変だろうな、と思うけど、みんなけっこう平気で泥の中を歩いていく。

ここで服装の話をしよう。

冬だったので、キャシュビアという長いフード付きコートを着ている男の人が多かった。これは袖がないマントみたいなもので、ものすごく厚ぼったいウールで作ってある。これを着ている姿は、初めて見るとかなり衝撃的だ。とても地球人には見えない。

「スター・ウォーズ」の最初のほうに出てくる、砂漠に住む人々のように見える。実際、あの映画はチュニジアでもロケをしたのだ。ルーカスやスピルバーグは、ロケハンに来てこのマントを見、インスピレーションを得たに違いない。

もうひとつ、名前はわからないのだけれど、もっと薄手のウールで、体に巻きつけて着るタイプのマントもよく見かけた。彫りが深くて痩せ型で背の高いアラブ人男性がこれを身につけているととても魅力的で、「ぽ〜っ」と見とれてしまったりする。

女性はサフサリという頭からかぶってしまうような長いショールのようなものを巻いている。どうやって身につけるのかよくわからないけど、意外に活動的なようだ。未婚・既婚とは関係なく、土地によって黒だったり白だったりするみたい。

水道橋周辺







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