
さて、きょうは忙しいぞ!
きのうのチョンボのおかげで、1日でポンペイとアマルフィの2か所を回らなければならないのだから。
9:01の電車でポンペイへ。きょうはちゃんと(?)混んでる車両に乗った。
ポンペイは広い!
そりゃそうだ。ひとつの街だったんだから。それにしても、あんな風景は初めて見た。なにしろ右も左も前も後ろもぜ〜んぶ遺跡。石だらけ。子どものころに西部劇のゴーストタウンに憧れたものだけれど、あんなもんじゃない! しかも、まだ発掘中の所がいっぱい残っているのだから。
初めのうちは、なにから見ればいいのか、途方にくれてしまう。でも、歩いていくうちに壁に描かれた絵や、美しいモザイクのタイルや、台所の調理器具など、博物館のようにおもしろいたくさんの物に目が惹きつけられ、当時(紀元79年!)の人々の暮らしを想像して楽しめるようになる。
観光客もたくさんいるはずだが、ガイドが効率よく案内しているので、道を1本はずれると、人っ子ひとりいない。物音もしない。雲ひとつない青い空の下、たったひとりでし〜んとした遺跡の中に立っているのは、ほんとうに不思議な体験だった。
有名なところは人だかりがしてるのでそれとわかる。それが日本人の団体だったりするとガイドの案内も聞けるので、そしらぬ顔で近づいたりした。
途中で友人Yは、電車の時間があるので、先に帰った。彼女はバーリのほうまで行くつもりなのだ。「じゃあ、またね」と手を振りながら、はるかに続く石積みの道を歩み去るYの姿は、涙なしには見られないくらい立派だった。
とはいえ、私たちだって時間に余裕があるわけではなかった。つい、あっちふらふら、こっちふらふらとしているうちに、電車の時間が迫ってきた。でも、まだ、目玉の秘儀荘を見ていない! ここには、すばらしい装飾画があるはずだが、ちょっと街からはずれたところにある。だんだん急ぎ足になった私たち、最後はほとんど走ってたどりつき、念願の絵を大急ぎで見てから、駅までの道を走った、走った。なんとか12:15の電車に間に合った。