
さて、ポンペイに着き、念願の遺跡へ。冬場のせいか人通りは少なく、観光客相手のみやげもの屋も閑散としている。
と、思ったら、閑散としているはずだ! なんと、冬場は入場が2:45まで。
「だって、ソレントのインフォメーションの人が5時までだって言ったのよ。お願い、すぐそこまででいいから入れて」
とWは訳のわからないことを係の人に訴えたが、もちろんダメに決まってる。
「忍びこんじゃおうか」とも言うのだけど、こんな人気のない廃墟に忍びこんで、暗くなってきたりしたらどうするのよ。
教訓2:たとえ公共の仕事をしている人間でも、イタリア人の言ったことをはなから信じてはいけない。
すごすごとホテルに帰るとメッセージが。別のルートで旅行している友人Yが到着していた。再会を祝し、街で買ってきたレモン・リキュールで乾杯。
食事の前にタオルミナに電話をかけて、ホテルの予約をしようとしたが、なんとどこも満員。クリスマス休暇でマフィアがみんな里帰りするのかしら。ようやく、あいてるホテルをひとつ見つけ、高かったけどしかたがないから予約。「慇懃無礼で感じの悪い応対だったわ」とWは言う。いやな予感がする。
ま、それはそれで、おいしいものでも食べましょ、とお出かけ。3人だと注文する数も増えるから、イタリア人に比べると胃袋の小さなわれ われとしてはありがたい。
う〜ん、なんだかきょうはリッチだ。フォカッチャというナンのようなパンがとってもおいしい。きょうは白ワインが2本。生ハム 野菜盛り合わせ(きのこ、ズッキーニ、なす、アーティチョーク、ピーマン、芽キャベツ) ラビオリのカプリ風(アンチョビ、ツナ、トマトと黒オリーブをペースト状にしてあえたソースがからめてある) スパゲティボンゴレ(おお、出た。でも、と〜ってもおいしい) ムール貝の白ワイン蒸し えびのグリル(おっきい!) ルゲッタのサラダ(たんぽぽのような形の葉っぱで、食べるとごまの味がする野菜。最近は、日本のイタメシ屋でもみかける) イタリアでは食事の時ワインと一緒にミネラルウォーターを飲むのがふつうらしい。必ず、注文のときに聞かれる。ガス(発泡性)とノンガスがあり、イタリアの人はガス入りが多いみたいだったけど、なんだかガスでお腹がいっぱいになっちゃいそうなのと、少ししょっぱいのが気になるのとで、私たちはノンガス。
デザートにはスフォリアテッレというお菓子。これは、リコッタチーズとドライフルーツを薄いパイ皮に包んで焼いたもので、なかなか重い。それと、エスプレッソ。
人に聞いた話だ、食べ物のおいしいイタリアでも、特に南はよい素材が豊富で、イタリア人のシェフでも南に憧れるのだそうだ。確かに、ちょっと観光客向きかなあと思えるような店で食べても、なげやりな食べ物が出てくることはなかった。
ただし、味つけが濃いので、夜になるとものすごく喉が乾く。ホテルに帰る前にミネラルウォーターを買うのが日課になった。レストランで飲みきれなかった大びんを持ち帰ることが多かったのだが、1度買い忘れたときは、夜中に苦しくて眠れず、水道の水を飲んでしまった。なんともなかったけれど、地元の人もみんなミネラルウォーターを飲んでいるところを見ると、やはり水道水は飲料には適さないんだと思う。