WALKING IN SICILY


PART 35(1/3)

を取り直して街に出た。

まずはエアターミナルバスの停留所を探す。ところがこれが見つからない。インフォメーションのおねえさんは、「マッシモ劇場の裏よ」と行っていたのだが、ない。近くにいたバス会社のおじさんに聞いてみたが、彼は劇場の横だと言う。でも、そこにもない!

しかたなく歩き始め、ガイドブック通りプルトニア噴水、マラトニア教会、サンカタドニア教会、カテドラル、ノルマン宮殿とめぐった。

カテドラルの近くには刑務所があり、出口になにやら人だかり。近づくと、どうやら釈放された人が出てきたらしく、30人くらいの家族、親戚、友人、その他が集まって、抱き合ったりキスしたりしている。う〜む、シチリア。

それにしても、なんて暗くて汚い街なんだろうか。プルトニア噴水近くのクアトロ・カンティ交差点は、バロック様式の建物が向い合っていて、石像と小さな噴水が道に面しているのだが、排気ガスで黒く汚れ、その美しさは完全に消え去ってしまっている。ちょっと手を加えて、汚れを洗い流せば、どんなにすてきな街になるかと思うのだが・・・。

これも前にふれた本『マフィア シチリアの名誉ある社会』に書いてあったのだが、マフィアというのは建設業を牛耳っているらしい。で、郊外にどんどん新しい団地やマンションを建てていくほうが儲かるのだという。役人も市民もなんらかの形でマフィアとつながりがあるから、古い街を直したり最開発したりすることは話にならない。古いビルからはどんどん人が出て行き、代わりに麻薬中毒車や浮浪者が住み ついて、荒廃の度がますます強まるという悪循環。多少誇張はあると思うが、本を読む前の印象とさほど違わなかったのは事実だ。

夕食までにはまだかなり時間があったので、明日行く予定のモンレアッレに下見に行くことにした。ノルマン宮殿近くのインディペンデンツァ広場から8/9番のバスに乗る。25分くらいで、モンレアッレに着いた頃は暗くなっていたが、ドゥオーモは6時半までなので、まだ見ることができた。

ところが、中が暗い!

このドゥオーモはビザンチン様式のモザイク画で有名だが、それがほとんど見えない。困っていると、突然明りがつき、モザイク画の一部が見えた。「わ〜い」と喜んでそっちのほうへ近寄ると、すぐに明りが消えてしまう。よくよく見てみると、各所に500リラ入れる機械があって、お金を入れるとその場所だけに1分間だけ明りがつくのだ。「ヒエ〜、神様もせこい」とあきれつつも、やっぱり見たいので、私とWはお金を出し合い、

「今度はあそこを見ようね」
「いい?入れるわよ」

と確認しては明りをつけ、目をこらして見つめるのだった。たまに、ほかの観光客がつけてくれると、それに便乗しようとすばやく走り 寄り、おこぼれをちょうだいする日本人2人。情けない。

日本人観光客の団体がひと組いたが、ガイドは明りもつけずに説明。客たちも説明を聞くだけで、特に見たい様子もない。私たちがつけた明りで絵が浮かび上がっても、別に感動するふうでもない。あれって、一体なんなんだろう?


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