
さて、マフィアの本拠地パレルモだ。気持ちをひきしめて、駅から外に出た。
バスに乗ろうとまず切符を買いにいく。細かいお金がなかったので窓口で50,000リラ札を出し、「ドゥエ(2枚)」と言うと、係のおじさんが「もっと細かいのはないのか」というような身振りをした。「これっきゃないの」と、持っているだけの小銭を見せると、うなずきながらそのうちのいくつかをとり、切符とおつりをくれた。が、立ち去ろうとすると、いきなりそのおじさんが怒鳴り始めたのだ。
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わけがわからず立ちつくす私。うしろのほうからはWが「なにしてるの!どうしたのよ?」と叫ぶ。横からジプシーの少女が手を出して「マンジャーノ、マンジャーノ」とせびる。おじさんはすごい形相で怒鳴り続ける。という阿鼻叫喚の中、パニック状態におちいってしまった私。
そのとき、うしろに並んでいた男の冷静な声が聞こえた。
"How much did you pay him?"
そうです。私は小銭を渡したところで安心してしまい、最初の50,000リラ札をしっかりしまいこんでいたのだった。おじさん、怒るはずだ。イタリアで釣り銭詐欺をしてしまうところだった(^^;)。
さて、ようやくバスに乗り、外をながめると、信号待ちで止まった車のウインドウを勝手に拭いて金をせびるヤツや、車と車の間をティッシュやライターを売り歩くヤツと、わけのわからない人間が多い。
建物は荒れるままに放置されているし、意味もなくたむろしている男たちは多いし、暗い雰囲気が漂っている。村上春樹の『遠い太鼓』を読んできたせいもあるかもしれない。彼はこの街がとっても嫌いだったらしいから。
インフォメーションで観光スポットの開いている時間リストとエアターミナルバスの時刻表と地図をもらい、ホテルの予約を頼んだ。ところがそのホテルに行ってみると、場末っぽくて物騒な感じ。あわてて断りの電話を入れ、もう少しましに見えるHOTEL MEDITERANEにチェック・インした。が、ここもなんだか暗くて殺風景で、がっかり。パレルモには感じのよいホテルというのはないのかもしれない。