WALKING IN SICILY


PART 33(1/3)

間切れになって、あわててホテルに戻る。タクシーを呼んでもらい、駅に向かった。すっかりお気に入りの駅のバールで、食べ物と水を買って列車に乗る。

表面にごまがいっぱい付いた直径30センチくらいの丸いパンの間にトマトやレタス、ツナがはさんであるサンドイッチをケーキのように切り分けたもの(パンがとってもおいしい)と、カレーパンのような形の揚げパン(中身はミートソース)とナッツがたっぷり付いたお菓子。

6人掛けのコンパートメントだったが、きのうよりさらに汚い。1等でほかに客がいないので、念のため扉をぴったり閉め、荷物を隣りの席 に置いてガードした。

ところが、パレルモのひとつ手前の駅で人がどやどやと乗ってきた。私たちのコンパートメントにも体の大きな男が3人入ってきて、身振りで荷物を棚に乗せろと言う。そばから離すなんてとんでもない、とばかりに膝の上に抱え込んだものの、男たちは足を伸ばし、声高に喋り始めた。ときどきジャポネという言葉が聞こえ、私たちの話をしているのだと察しがつくが、話の内容がわからないのが怖い。

私もWもひとことも口をきかず、早くパレルモに着いてくれないものかと、念じていた。

駅につくなり荷物を抱え、男たちの間をくぐり抜けた。幸い足はどけてくれた。ほうほうのていでコンパートメントを脱出。安全のために1等車に乗っても、これじゃなんにもなりゃしない。隣りのコンパートメントにはジプシーがいっぱい乗っていた。結局、終点近くになると検札もなくなるので、その頃をみはからって、こういう連中が無賃乗車をしてくるのか。


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