
3つの神殿を見たあと、考古学公園に入りった。考古学公園といっても、草ぼうぼうの原っぱに神殿の残骸がごろごろ置いてあるだけ。ただ、それがあまりに多いので、迫力がある。
神殿は中まで入ることができないが、公園にころがっている柱などはよじのぼってもかまわないので、いかにひとつひとつが大きいものか、身をもって感じることができる。
この公園の端からは、はるかかなたに別の神殿が見晴らせる。貪欲なWは、「あの神殿も見て行こう」と言って歩き出したが、さすがに途中までいって、とても無理だと気づいて引き返した。もう時間が残り少ない。あの神殿まで行くのなら、博物館をあきらめなくちゃならない。神殿はもう3つも見たから、やっぱり博物館にしようと、今思えば「なんじゃそれ?」の理屈で結論を出した私たち。
バス通りを駅の方向に歩き、ホテルを通り越して国立考古学博物館まで歩く。入口にはヒマそうなおじさんたちが3〜4人たむろしている。芳名帳が置いてあるのだが、名前、どこから来たか、はわかるとしても、生年月日を書く欄がある。私とWが正直に書いたら、受け付けのおじさんにじ〜っと見つめられてしまった。同い年くらいだったのかもしれない(^^;)。
この博物館にはジュノーネ神殿にあった石像やギリシャ時代の壷、彫刻がたくさんある。すっきりと見やすくモダンな作りで、東京でだったら見がいがあるはずだが、なにしろド迫力の神殿を見てきたばかりなので、ちまちました印象を受けてしまうんだなぁ、これが。もったいない。
ここで、きのうの日本人に遭遇。さすがに今日は挨拶してきた。ほらね、狭いとこを歩いていると、どうしたって出会うんだから、どうせなら気持ちよく接したほうがいいでしょ。
閑話休題。映画「カオス シチリア物語」の原作者ピランデルロは、アグリジェントの出身で、映画もアグリジェントで撮影されたと聞いていた。私は中でも<軽石の島>の白い砂丘を白い服の子どもたちが駆け降りるシーンが忘れられなくて、あの砂浜に行きたい!と切望していたのだが、どうやらあれはアグリジェントではないらしい。映画の中でもマルタ(だったかな?)に向かう途中の島と言われていたものね。アグリジェントはふつうの港町で、少なくとも駅の近くには浜辺のようなものはなかった。でも、ピランデルロ役の作家が母親を尋ねて帰る家は、アグリジェントのどこかの村であることは確からしいのだが・・・