WALKING IN SICILY


PART 28(1/2)

テルでタクシーを呼んでもらい、駅に。

12:20の列車でアグリジェントに向かった。今回の車両はむちゃ汚い。きれいな席を探して端から端まで歩いたが、どこにもなかった。座席のシートは擦り切れ、みんなが土足であがったかのように汚れている。ほんとに当たりはずれの多い鉄道だ。

昼食は、駅のBARで買っておいたサラミ+チーズ、ハム+チーズをはさんだパニーニ。途中の景色は今までと比べ、起伏に富んでいて楽しい。ワイン畑も見られ、今夜の食事が楽しみになる。

ほぼ時間通りにアグリジェント着。ガイドブックによれば「(ホームから)エスカレーターで上がっていくとホールに出る。さすが観光地らしく、このホールにアグリジェントのホテルリストと値段を記した表示板がある」はずだが、エスカレーターは止まっている!

表示板はとても高いところにあり、しかもほこりまみれで読めない。

「駅を出て左のシチリア銀行の下にある」というインフォメーションに行ったらなくなっていた。門番風のおじさんに聞くと、移ってしまったらしい。教えてもらった方向に行ったが、ぜ〜んぜん見つからない。しかも、広場には失業者みたいなおじさん、おじいさんたちがたむろしていて、なんだか怖い。しかたがないので、少し遠いけどもうひとつあるはずのインフォメーションに向かった。

駅前から伸びている道は、神殿の谷に通じているはずだが、街路樹が植えてある遊歩道になっていて、右側は海。なかなか気持ちのよい風景だ。でも、今夜泊まるところがなく、インフォメーションも見つからない私たちには猫に小判。楽しむ余裕がない。かなり歩いて、番地からいってもこのへんのはずというあたりで途方にくれていると、向こうからリュックを背負って『地球の歩き方』を持った日本人の男性が歩いてきた。大喜びで声をかけ、インフォメーションの場所を尋ねると、ものすご〜くいやそうな顔をして「知りません」のひとこと。

なんだ、こいつは?

せっかくシチリア情緒にひたっているところに、日本人が日本語で話しかけたりして、悪かったわね。外国旅行をしているとき、日本人同士が出会うと、ことさらに相手を無視するという風景はよく見る。せっかくの情報交換の機会なんだから、馬鹿らしいとは思うが、相手の気持ちを尊重して無理に誘ったりはしない。でもでも、同朋が困っているときに、この態度はないでしょ。

すっかり怒った私たちは、挨拶もそこそこに駅に戻った。2人連れの警官を見つけ、ホテルはどこかと英語で聞いたけど通じない。Wがスペイン語で聞いたが(ローマではスペイン語とイタリア語で会話ができた)、これも通じない。お互いに困った顔で見つめ合っていたら、片方の警官がなんとフランス語を話し出した。日本人とイタリア人がお互いにかたことのフランス語で意思の疎通をはかるという、不思議な光景が出現した。

結局わかったことは、第一候補にしていたホテルは、駅の向こう側に引っ越してしまったこと。別のホテルを教えてくれたので、さっきの恐ろしげな広場近くの通りに戻る。ここは人通りも多く、にぎやかなのだが、なんだか物騒な雰囲気なのだ。アラブ系の人たちが多いので、そんな気がするのかなあ。ホテルは、外から見ただけでもいかがわしそうだった。

中に入ってみると、フロントらしき薄暗がりに、人相の悪いおじさんが立っていて、にこりともせずにこちらをねめつける。

「やっぱりやめよう」
「うん」

あっという間に回れ右して、外に出た私たち。

もうひとつ教えてくれたホテルへ行くには、さっきの遊歩道を戻らなければならない。荷物が肩に食いこみ、足どりが遅くなってきた。そろそろ夕闇が迫ってきたし・・・。やっとのことでホテルに着くと、休業中!


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