
結局インフォメーションが見つからず、ホテルに向かった。タオルミナの街も、狭い道がくねくねと曲がりくねっていて、わかりずらい。しかも暗くなっているので、よけい不安になってくる。とある路地を抜けたことろで、ようやく←HOTEL MONTE TAURO の標識が見えた。やれ、うれしや、と角を曲がった瞬間、
「げぇ〜っ、やだ〜(;^0^;)!」
という悲鳴のようなWの声。
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指差す先には赤、黄、緑のネオンがチカチカ。あたかも日本のラ*ホテルのようなたたずまいのシロモノが、そこには建っているのであった。
「派手なのはネオンだけかもしれないわ」
と、自らを励まして近づいたものの、ああ、そこにはネオンに勝るとも劣らない超トンデモナイ建物が存在していたのだった。
モンドリアン風というのか、赤、黄、緑、青と原色で幾何学的に塗り分けられたロビーに足を踏み入れ、Wはさっそくフロントでもっと安い部屋はないのかと交渉したが、にべもなく断られる。結局、その夜はそこに泊まることにし、翌日の分はキャンセルした。
(日本の温泉地のホテルにあるような)ガラス張りのエレベーターとトンネル状の渡り廊下を抜けて行き、案内された部屋も驚愕ものだった。
モンドリアン風は全館通じてのコンセプトらしく、室内もやはり塗り分けられている。しかも、さらに幾何学的な立体感を強調するため、あちこちに意味のないコンクリートブロックの出っぱりがくっつけられている(まあ、これは物を置くのに便利だったけど)。きわめつきはクローゼット。なんと襖(木製だけど)がついている。
「このホテルって、マフィアが建てたのよ。んでもって、子分たちが結婚して新婚旅行に来るときは、親分の命令でここに泊まんなきゃいけないんだと思うわ」
確かに設備はいい。ドライヤーも付いているし、バスルームにはちゃんと一式そろっているし、翌朝ベランダに出てみたら眺めは抜群だし。 とはいえ、これだけ回りの景観を無視した建物を建てられるというのは、やっぱりマフィアしきゃないでしょう。
すっかり怒ったWは、もう1度インフォメーションを探して、明日のホテルを予約すると言って、出て行ってしまった。私はといえば、顔だけ洗うのがやっとでベッドに這いずりこみ、そのまま寝てしまった。
このようにして、シチリアの最初の夜は過ぎていったのだった。