WALKING IN SICILY


PART 13(12/30)

:20の電車でナポリへ。

ナポリ駅では、ホームが別館(?)みたいなところにあって、ちょっと迷う。ローマを発ったときから、イタリア名物の駅弁を探していたのだが、どうもシーズンオフで作っていないらしく、サンドイッチで我慢。

9:05の電車でタオルミナへと向かった。ローマから乗ったものより車両がきれいで暖房も効いていたので、ひと安心。なにしろ7時間の長旅だから。

6人掛けのコンパートメントには私たちだけ。ゆっくり車窓の景色でも楽しもう、と思っていたのに思わぬ悲劇が・・・朝からどうも胃がムカムカするなあ、と思ってはいた。が、なにしろイタリアに来てから、空腹を感じるときがないくらいに食べ続けているので、あまり気にもしていなかった。

急激に寒気と悪寒が襲ってきた。ひえ〜ん、風邪だよぉ。

高熱に浮かされ、街じゅうの車のクラクションを呪ったパリの大晦日、屋根裏のようなホテルの部屋が脳裏に蘇える。そういえば、あのときもWと一緒だったっけ。

私の場合、もうこうなったら、止めようがない。暖房がガンガンに効いた車内で、コートをすっぽり巻きつけ、マフラーまで巻いて、3人分の座席に横になって、ひたすら寝込んでしまった。

せっかくメッシーナで電車ごとフェリーに乗せるという1大スペクタクルを目撃できるチャンスだったのにぃ。でも、Wがそばでぶつぶつ言っているのを聞いた限りでは、えらく効率の悪い作業だったらしい。なにしろ小1時間もかけて、電車をちょんぎっては(車両の連結をはずすってことね)ちょこっとずつお尻のほうから収めていくらしい。日本だったら、もっとかんたんにすませる方法を考え出すだろうが、イタリア人の場合「今までず〜っとこれでやってきたんだからいいじゃん」というわけで、これからも変わらないのだろう。けっこう好きかも、そういうの。

ときどき検札とか、用もなく覗きに来る車掌が、私を見て「こんなに暖かいのに、なにゆえに彼女はあのように着こんでいるのか」と聞いた、らしい。Wが「彼女は寒いのだ」と答えると、首をすくめて行ってしまった、らしい。2人とも、もう少し同情ってものを見せてくれてもいいのではないか・・・。


NEXT I BEFORE I INDEX


All HTML and Graphics and Photos (C)SHOH