
WALKING IN RUSSIA
PART 10
例によって、朝ごはんまで散歩。セーターが必要なほど寒い。電話ボックスの中で眠っている浮浪者がいた。夏だからいいけど、冬はどうするのかしら?
「あれ、ほら!」
「わっ、でっかい温度計」
ビルの壁に縦についているのだが、真ん中より上に零度の線がある。冬の寒さをしのばせる。行列ができていたので、何だろうと近寄ってみるとパン屋さん。でも、これは、物がないから並んでるというより、開店時間を待っていたようだ。帰りにもう1度前を通ったときは、店が開いていて、店内にはパンがたくさん(しかもいろんな種類)あったから。冷やかしで見物していたら、日本人の女の子2人が入ってきて、ケーキを買おうと四苦八苦している。
ロビーで待っているときに、彼女たちがケーキの箱を持って帰ってきた。
「あら、買えたのね!どうやったの?」
「レジのところで品物を指差してお金を払い、そのレシートを持って、もう1度売場に行って、レシートと引き換えに品物を受け取るの」
ひえ〜、なんてめんどうな! 噂に聞いていたカッサ方式とはこれだな。朝食は
黒パン&白パン&丸パン チーズ・・・エダムのような味 ジュース・・・果汁10%くらい。完全着色。むか〜し、渡辺ジュースの素とかいうのがあったのを覚えている方、あの味です ゆで卵 プルーンジャム 紅茶 歩いて赤の広場まで行き、ちょっとだけ見物(グム百貨店に入りたかったよ〜)。ここにもスピーカーを使って演説してる人たちがいた。広いからいいけど、あちこちで違うこと言い合ってるから、なにがなんだかわからない。みんなが記念写真を撮り合っていると、狐川さんがスススッと寄ってきて「私がシャッターを押しましょうか」と気をつかう。しかし、黒地になまめかしい浮世絵柄Tシャツの狐川さんは、赤の広場の中で完全に浮いていた。
9時45分にホテル出発、空港へ。途中、古くてすてきな建物が多い旧市街に入り、運河のこちら側からクレムリンを眺めた。これは、とてもきれい。ただし、また例によって物売りがうわ〜っと寄ってくるのだが・・・。
機内食が出ないかもしれない(これって航空会社に聞いてもわからないのかしら!?)というので、各人におべんとうが渡された。これがすごい!
国内線の待合室は、狭くてきたない。得体の知れない人もたくさんいる。1か月くらい洗っていないような、垢じみた服を着たベトナム人夫婦が印象的だあった。ソ連時代に出稼ぎに来たものの、帰るに帰れなくなった人たちではないだろうか。先日の新聞で、ロシア国内のベトナム人に帰国命令が出たと書いてあったのを読んで、「ああ、やっぱり」と思った。かたい白パンに、サラミとパストラミのようなものがたっぷりはさんであるもの 丸パン プルーンジャム 炭酸入りジュース・・・500mlくらいの瓶 でも、そんな中で一番うさんくさかったのは、集団でしゃがんで、おべんとうを食べる人たちだった。←私たちのツアーのおじさんたち みんなが見てた。そのうえ、売店で買ったお酒の回し飲みまで始めたときは、はっきり言って赤の他人になりたかったよ〜。
しかし、こういうときにすかさず濡れティッシュの箱を出す狐川さんって、ほんとに添乗員してる。ジュースの栓を開けようとウロウロしていると、バッグからさっと栓抜きを出し、抜いてくれたうえにキャップは自分が受け取って、捨ててくれちゃうのだ。さっちゃんなどは感動のあまり「一家にひとり、便利な狐川さんがほしい」などと言い出す始末。
さて、タシケント行きの飛行機に乗り込んだ。せっかく狐川さんが座席番号を書いてくれていたのに、乗ってみたら自由席になってしまっていた。よくあることらしい。
出ないはずだった機内食は
ううううう、苦しい。ボローニャソーセージ・・・なんと2cmくらいの厚さに切ってある オイルサーディン きゅうり チーズ 黒パン クッキー 紅茶