
WALKING IN RUSSIA
PART 28
明け方にハバロフスクに着き、行きと同じホテルに。空港でもホテルのロビーでも待たされたため、部屋に入れたのは5時頃。すぐにベッドに入りった。が・・・
あっ!
という間に起こされた。9時だ。
もうこうなったら行くところまで行くしかない。幸い、今回の旅行は帰ってから2日間休みが残っている。
さて、ここで私はおそろしい災厄に見舞われた。みなさんはヒワでのくだもののことを覚えているだろうか? あのとき、口をつけようとしないターニャさんを見て、一抹の不安を感じつつも、食い意地に負けてしまった私・・・そう、どうもアレっぽいのだ。
さっちゃんに
「ねえ、どうしよう、私、**っぽいのぉ」と訴えたら
「あ、実は私、きのうからそれで苦しんでるんです」
「え〜〜っ、そうだったのかあ」まあ、でも幸いハバロフスク〜新潟間は2時間くらいだ。なんとかなるだろう。念のためにリュックにトイレットペーパーを1巻き入れ、狐川さんのそばにスススッと寄っていって
「すみませんが、私とさっちゃんをふたりとも通路寄りの席にしていただけませんか」と頼んだ。
不思議そうな顔をする狐川さん。
今まではいつもふたり並んでの席だったので、無理もない。恥を忍んで
「あの、トイレにすぐ行けるようにしたいんです」ううう、言ってしまった。でも、背に腹は替えられないものね。
それにしてもつらかったなあ。お腹は痛くなかったのでまだよかったんだろうが、ハバロフスク空港で待っている間など、15分間隔くらいにトイレに行っていた。正露丸を飲んでも全然効かない。あとから聞いた話だが、これはくだもののせいではなく、長旅で、しかもカルチャーショックが大きかったときなどに起こりやすい心因性のものだから、正露丸よりもワカマツが効くのだそうだ。ほんとだろうか?
いずれにしても、帰国後1週間くらいは治らなくて、すっかりダイエットできた私。
ホテルでの朝食は
黒パン コールドビーフ 目玉焼き パンケーキ 紅茶 びびりながらもしっかり食べてしまった私って・・・。
ハバロフスクの空港はかなりの混雑だった。それもほとんどが日本人。なかには議員バッジを襟につけたおじさんの団体も。北海道の議員さんらしい。添乗員やら秘書やらが、荷物のことやお土産のことを、まるで子どもに話すように懇切丁寧、事細かに説明していた。彼らの理解力というのはその程度なのだろうか?
さて、恐怖の税関チェックが始まった。なるほど、けっこう本気だ。
私の前の猪木さんは、かばんを開けさせられ、財布の中身までチェックされている。猫間さんは、壷の中に隠していた時計がX線で見つかってしまい、申告させられている。
ドキドキしているうちに私の番が。
「ロシアの金(きん)を持っていますか」「いいえ」
「ロシアの絵を持っていますか」「いいえ」
「お土産は買いましたか」「はい」ひとつの袋にまとめておいた土産物類を見せる。
「レシートを見せてください」まとめておいたレシート類を出す。
「ルーブルは持っていますか」残っていたルーブルを出す。
結局、レシートはとりあげられ、ルーブルは数えてから返してくれた。な〜んだ!心配することなんかなかったんだ。それならもっと買えばよかった。
税関を過ぎて入った待合室にもちゃんとベリョースカがあって、マトリョーシカやチョコレート、お酒などを売っていた。街で買うよりはずっと高いけど、安心して買えるのが取柄だろうか。