
WALKING IN RUSSIA
PART 26
ドンドンドン!
「ふえ〜っ、な〜にぃ?」
ドアを叩く音でようやく目を覚ました私たち。
きのうの夜ふかしがたたって、目覚ましの音では起きられなかった。旅の疲れも出てきて、これからはもう観光もないしで、気持ちの張りがないと途端に起きられなくなるというのも現金だ。でもねえ、5時よ、5時。こういうときのために、添乗員さんっていてくれるのねえ。
若い分だけさっちゃんは寝不足に弱い。
「まだ子どもだから、寝なくちゃいけないんです」
と本人も言ってたが、いったん起きてからも朦朧状態。服を着てもすぐにベッドに倒れ込む。バスに乗っても、空港の待合室の椅子でも、横になれる所さえあるとすぐに横たわり、眠いというより具合が悪そう。
事あるごとにさっちゃんをからかうのを楽しみにしている猫間さんも、さすがに遠慮している。
奥さんから「具合が悪いんだから、かまっちゃだめよ!」と、きつく釘をさされたせいもあるのだが。
空港の食堂で朝食をとりました。 私とさっちゃんとは、すでに夕べのおべんとうをホテルの部屋に置いてきてしまってた。どうせ持てあますことはわかっていたし、むだに捨てるよりはルームメイドさんに持って帰ってもらえたら、と一応メッセージをつけておいた(でも、通じなかったろうなあ)。
蛇本さん夫妻は、野菜補充のためにと、きゅうりとトマトを取り出していた。
朝食のメニューは
だった。小さな丸いビスケット チーズ コールドミート バター ロールケーキ 紅茶 キャンディ タシケントを7時55分に出発、モスクワまで4時間の飛行だ。
この飛行機はすごかった。きのうのウルゲンチ〜タシケントもなかなかだったが、もう完全に帰省・出稼ぎ列車のノリ。乗客の機内持ち込みの荷物といったら、スイカ5個とかニワトリ2羽!とか(こういうの持ち込み可なんだろうか)、子ども5人とか・・・おまけに機内にはハエがぶんぶん飛んでる!
さすがに高度が上がると天井のほうにはりついているのだが、現金なもので食事が始まると、いっせいに急降下してくるのね、これが。飛行機の中でハエを追いながらごはんを食べる体験というのは、なかなかできるもんじゃない。
* * * * * * *
この旅の後にすぐタイに行ったが、そのときはANAだった。機内の清潔さ、乗務員のいたれりつくせり、毛布やイヤフォンのサービスな ど感激することばかりでしたが、「ハエがいない!」と喜ぶ私は単なる変わり者と思われていた。
* * * * * * *
昼食のメニューは
またもやおべんとうの出番はない。見回すと、蛇本夫妻は再び野菜を食べていた。丸い白パン&黒パン チーズ チキン 細長いトマト 洗ってないりんご(虫食いだらけ) イクラ&バター ロシアケーキ2種 紅茶