WALKING IN RUSSIA


PART 22

ごはんは

  • ハム
  • スクランブルエッグ
  • カッテージチーズ・・・これがとても珍しくて、おとうふのような四角い形のものがひとつお皿にのっていて、練乳のようなクリームがかけてある
  • ナン
  • 紅茶
  • このホテル(ホレズム)はちょっと変わった作りになっている。ロビーや食堂のある棟を中心に左右の翼に客室がついているのだが、部屋番号が同じなのだ。A館の101とB館の101があるわけ。で、それに気づかなかった猪木さんが、反対の階段を上がってしまい、反対側の翼の同番号の部屋に行ってしまった。ふつうだったら、ドアの前で

    「あれ?開かないぞ。変だなあ。あっ!ここはB館だ!」
    となるはずだが、この場合はなんと、開いちゃったんですねえ。で、中には外国人女性が茫然とした顔でドアのほうを見ていたそう。

    「やんなっちゃうね。とっさに"I'M SORRY"が出てこなくてさ。あわててすぐまた閉めちゃったよ」と猪木さんの嘆くこと。

    それにしても、同じ番号とはいえ、鍵が共通だなんて信じられない。もしかしたらホテルの部屋全部同じ鍵かもしれない。

    さて、この日は、本来はないはずだったヒワの観光とあって、みんなけっこう舞い上がっていた。猪木さんなどは、サマルカンドあたりから、八木田さんや蛇本夫妻が時間を守らないのが気になっているらしく、「さあ、きょうは時間がないよ。せっかくのヒワで見そびれるものがあると悔しいから、みんな時間は守ってくださいよ。ピシツといこう、ピシツと!」とカツを入れたりして。

    ほんとうに時間はほとんどない。8時10分にホテルを出発してヒワに行き、11時30分にはウルゲンチの空港に着いていなければならないのだ。まったくなんという日程だろう。当初の予定通り、ハバロフスク〜タシケントの飛行機が運行していれば、ヒワも丸1日見られたはずなのに・・・でもまあ、見ないよりはましというわけで、みんな決死の覚悟なわけだ。

    ヒワには外国人は泊まれないので、観光客はみんなウルゲンチに泊まって、バスで行く。30分くらい。

    街は2重の城壁に囲まれていて、昔のままの姿が残されている。まるで映画のセットのような気がしてしまうほど、完璧に残っているので、 ここに今でも人が住んで生活しているなんてとても信じられない。

    ヒワのイチャン・カラ(内城)には、東西南北4つの門から入ることができる。私たちは西門から入った。入ってすぐの所に昔の隊商宿があって、これがとてもすてきな建物。今ではホテルになっているとガイドさんが言うので、「あら、それならここに泊まりたかったなあ」 と言ったら、すかさずターニャさんが「南京虫、たくさんです」とひとこと。ゲゲッ、そりゃちょっと考えものだわ。

    内城の中は迷路。白っぽいレンガ造りの建物が延々と連なっていて、大通りをはずれると道らしい道はなく、建物から建物へと伝わっていく感じ。時々遺跡の壊れた所をまたいでいったりもするから、ガイドさんとはぐれたら迷子は間違いなし。けっこうみんな必死でついていった。

    西門を入ってすぐ、右のほうにすごく変わった形の搭が見える。変わっているのも道理で、このミナレット・カリタ・ミナルは未完成品。 頭の部分がない。でも、サマルカンドに比べて白っぽく乾いた感じがするヒワの中で、この搭だけは全体が美しい青のモザイクで、ひときわ目立っている。

    白っぽく乾いていることや、古い遺跡がここまで保存されているのは、このあたりがホラズム地方と呼ばれているほど、雨が降らない土地だからだ。ホラズムとは「太陽の国」の意味。年間300日はカラカラ天気という場所なのだ。

    次に行ったクニャ・アルクで2度目の記念写真を撮った。例によって狐川さんが紙を出してきて、最前列の人に持たせる。こういう記念写真を撮る場所って、毎回同じなのかしら? それとも、ある一定の基準みたいなものがあって(影にならないとか)、それに合致した場所を見つけたら添乗員が決断するのかしら? どうも、今回の例で言うと、ふつうの人が「ここで記念写真を撮りたい」と思うのとは違う場所だったのよねえ。あれは狐川さんの趣味だったのか、はたまた旅行社の方針か。今度聞いてみようっと。

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    すごいと思うのですが、帰国後、旅行社から次の旅のパンフレットが送られてくるのは当然として、2か月に1回くらい狐川さんから御機嫌うかがいの電話が入った。そう言えば、添乗に出ていないときは営業していると言ってたなあ。この間なんか、思わず「あら、営業ですか?」と聞いたら「ふへへへへ」(これが彼の特徴)と笑ってた。旅行社には添乗専門のフリーの人と、社員がいると聞いたことがあるけれど どちらもそれなりに大変そうね。

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