
WALKING IN RUSSIA
PART 15
ホテルの部屋には、壁にプラスティックの箱がついていた。空気清浄器かな、と思って、試しにスイッチを入れてみたら、なんとラジオ! 民族音楽が流れてくる。ひさしぶりの文明に感激。
「今晩は、旅程表にありました”民族料理の夕べ”です」と狐川さん。でも、今まで食べてきたのも民族料理だったんじゃないかなあ(素朴な疑問)。
この日は旅行社のサービスでワインがついたのだが(これが民族料理の夕べたるゆえんか?)、サマルカンドで期待したほどにはおいしくなかった。醸造技術とかがまだ未発たちなのかもしれない。せん切りにんじんのサラダ・・・にんにくが効いていて少し辛い なす、トマト、たまねぎのマリネ サラミのようなコールドミート フレッシュチーズ・・・白くて水っぽい。でも、日本のに比べるとはるかに塩辛い イクラ&バター トマト&きゅうり ベーグル(?) パスタ・・・ツイストマカロニとうどんを短く切ったようなものがミックスされていて、牛肉とアンチョビでいためてある。珍しく全部食べちゃった ジャムをはさんだスポンジケーキ クッキー プラム 紅茶 食事の時のテーブルは、毎日組み合わせが変わる。夫婦ものはいつも一緒だが、それ以外のひとり参加の人たちは、その日によって座るところを替えていた。こうすると、食事の時の会話もいろいろに変化がついて、なかなかよかったと思う。が、しかし、一度、蛇本夫妻と私、独身男性でオタクっぽい犬野さんが一緒だったときは怖かった。
犬野さんは下戸で甘党、食事のたびにビールをぐびぐび飲んでる私の横で、「もうひとつ、いいですか?」とケーキを食べていたのだが、 蛇本さんの奥さんが唐突に「私の職場にも下戸で甘党の男性がいてねえ」と言い出した。
「けっこう多いですよね」と無難に答える私。
「その人ったら、ものすご〜く不細工なくせに、御前汁粉が好きだっていうもんだから、大笑いよ」・・・うぐぐぐ。
さすがにご主人も、「おいおい、それじゃ犬野さんに失礼なんじゃないか」と、とりなそうとしたが、かえって失礼になっているのに気づいていない。完全に化石化して、いないふりをしていた私だった。やはり団体旅行と言うのは、むずかしいものがある。
今夜のシャワーはお湯が出てラッキー! と思っていたら、次に使ったさっちゃんの時には茶色い水になってしまった。私が上澄みを使いきってしまったのね、ごめ〜ん。