
朝、Wがひとりでホテルを探しに行きました。私は11時まで寝かせてもらった。で、ST. SULPICE の近くに見つけてきてくれました。それほどパリ情緒はないけれど、きれいで感じがよく、英語も通じるので、もう動かないことにしました。とりあえずフロントに荷物を預け、出かけます。
Wが、パリに住む知人にお蕎麦を届けるように頼まれていました。元旦に尋ねるというのは、日本だったらとんでもないことかもしれませんが、相手は日本人とイタリア人のカップルだから平気みたい。凱旋門の近くのアパルトマンは、とても古い建物で、玄関ホールはグリーン と黄色の石のタイルが敷き詰められていて、いかにもヨーロッパ的なたたずまい。でも、中に入ってしまうとふつうの近代的なマンションと同じ。生活をするには、中世的な部分は不便なだけですものね。
新年で、どうせお店は閉まっているから、歩き回ることにします。まずはお決まりの凱旋門へ。そこからさらに観光客のメッカ、シャンゼリゼ大通りをコンコルド広場に向かって歩きます。今までほとんど日本人に会わなかったのに、ここでは日本人だらけ。この人たちは今までどこにいたのかしら?
あまりの寒さに途中で2度もカフェに入って、暖をとります。ところで、牛乳が苦手な私には、フランスのコーヒーはつらいものがありま した。カフェオレにすれば問題はないのですが、ブラックで飲むと、死ぬほど苦いのです。といって砂糖を入れるのは嫌い、というわがまま者ゆえ、しかたなく紅茶を頼んでいました。
シャンゼリゼのちょうどはずれまで行ったとき、街路樹についている豆電球にいっせいに灯りがついて、それはそれはきれいでした。
パリの田園調布(!)と呼ばれるパッシー地区を通り、エッフェル搭にたどりつきます。当然登るのですが、混んでるんですよ、これが。 てっぺんまで登るほうのエレベーターは長蛇の列。雨も降り始めて、とても待ってはいられないので、途中の展望台までのチケットを買いました。展望台にはお決まりの望遠鏡があって、それぞれにそこから見える地域の地図がついています。でもまあ、これは東京タワーと同じで、実際に搭の上から見るよりも、周囲から搭を見るほうがきれいなのね。しかも夜。特にこの年からエッフェル搭のライトアップ方式が変わって、下から照らすようになったから、シャイヨー宮のほうから眺めた景色は抜群でした。
雨がだんだんひどくなってきました。サンジェルマンまで戻ってきた頃には、もうびっしょり。とりあえずカフェに入って、どうしようかと言っているうちに小降りになってきたので、また歩き出します。この間見かけたけど、お昼前だったので入れなかったレストランを見つけ、 喜んで入ってしまいます。私はまだ体がいまいちで、食欲がないけど、とりあえず卵のオードブルとステーキを注文。
この卵のオードブルというのが、なかなかびっくりものでした。ゆで卵を半分に切ったものが、皿に伏せてあります。で、その上に山のよう なマヨネーズが、卵が見えないくらいにかかっているだけ、というもの。でも、マヨネーズが手づくりで、こってりしていておいしいから、予想外のおいしさなのです。この際、カロリーのことは考えないようにします。他の店のメニューでもこのオードブルは見かけたので、けっこうポピュラーなものかもしれません。ステーキの肉はかたくて、ちょっと食べきれませんでした。
フランス人って、よく食べます。注文したものを残しているのを見たことがありませんでした。この時も、奥のほうの席で若い女性が3人、ワイワイ楽しげに食事していたけれど、すごくたくさん食べてた。しかも、そのうちの1人は、パンにバターを塗った上に塩をふりかけて食べ ていました。こっちの人には、塩に対する警戒心がないのか、けっこう塩がきいてる料理にテーブルの塩をかけている光景をかなり見かけました。みんな高血圧で死ぬぞ!
ホテルに戻ってみると、手違いで私たちが入るはずだった部屋に別の客が入ってしまっている。
「また〜?」
でも、今度はお金を払ってあったので、しばらく待たされたけど、その人たちに移ってもらって、無事に入れました。せっかくシャワー付きの部屋なのに、風邪がまだ治らない私はお預け。すぐに寝てしまいました。