WALKING PARIS IN WINTER



1月3日(金)

早く起きて、PLACE D'ALIGRE の蚤の市に行きました。ところが、早すぎたせいか、食料品しか売っていない。

家具屋を見るというWと別れ、印象派美術館に行きました。雨の中1時間も並んで、ようやく中に。でも、並ぶだけの価値はあります。作品の質ももちろんだけど、一定数以上の人を入れないから、中に入るとかなりゆったり鑑賞することができるのです。東京の美術展など、ひとつの絵に対して30人くらいの見物人がひしめいていたりするでしょ。あんなことがまったくない。ゴッホやゴーギャンがひとりじめできるんです。

作品数は少ないけど、ひとつずつが粒ぞろいだから、かなり消耗します。疲れきって、ゴッホの麦畑の前で15分ほどうたた寝してしまった私です。ぜいたくな気分だにゃあ。

次は買物です。ポン・ヌフのほとりの SAMARITAINE デパートに行って、お土産を調達。ちなみにこのデパート、映画『ポンヌフの恋人』で印象的に撮られていた、あの建物です。


このとき買った肩紐つきの傘は、見た目はすご〜くすてきでした。しかし、東京に帰って最初の雨の日、喜んでこの傘をさして出かけた私は、 ひどい目に遭ってしまったのだ。どうも髪の毛がしっとりしてくると思っていたのね、最初のうちは。そのうちに気がついた。「雨が漏ってる!」布目の間から、絶え間なく霧が降りかかっていたのです。要するに、目が粗い布地だから、いくら防水加工をしてあっても、目と目の 間から雨が漏ってしまうのです。まったく、フランス人のすることといったら。


セーヌ左岸の古本屋の屋台?にも行ってみましたが、なにしろ寒くて雨降りなので、ほとんどの店は閉まっていました。

さて、次はST. CHAPELL です。これがむずかしかったあ。地図を見ながら、裁判所の前まではかんたんに行けたんです。ところが、そこから先が書いてないから、見当もつかない。ガードマンに聞いても英語が通じない。困っていると、通りがかった渋いおじさまが「連れていってあげるからついてきなさい」と言ってくれました。

こんなのわかるわけないじゃない! だって、完全に裁判所の中を歩いていかなければならないんですもの。

「どこから来たの?」
「日本です。あなたはここで働いているんですか?」
「いや。弁護士なんだよ。パリには何日間?」
「8日間です」
「なんて短いんだ!で、気に入ったかい?」
「はい、とても」

などとお決まりの会話を交わしているうちに、中庭のようなところに出る出口に着きました。そこにボロボロの教会が、工事中の塀に囲まれて建っていたのです。

おじさまにお礼を言って教会に入ると、外見からは想像もつかないほど美しいステンドグラス! 座るところがあれば、ずうっと1日中座って見ていたいほどです。それを見越してか、椅子はひとつもありませんでした。

BON MARCHE でWとおち合い、街のおそうざい屋さんでおかずとチーズとパン、酒屋さんでワイン、八百屋さんでピーマンを買って帰り、ホテルの部屋で夕食をとりました。リーキ(ポロねぎ)のマリネ、きのこのソテー、セロリのサラダ、ムール貝のクリームあえ、です。豪華でしょ! ピーマンは、日本のと違って、肉厚で甘みがあって、生で食べるとすごくおいしいの。Wが昼間、ナイフとフォーク、ワイングラスを買っていたことに感謝。実は食べようとするまで、そうしたものが必要なことに気がつかなかったのね、ふたりとも。


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