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3. The Bridge of Lothlorien
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車はさらに別の並木道(こちらには常緑樹が植えてある)に入り、さらに小さな門を入って、真っ白な建物の前の噴水のある前庭に止まった。ぐるっと回ってドアをあけてくれたビルは、車を降りた私に建物を指し示し、「All of this is yours」と言った。うわあ!!! ここ Fernside には「旅の仲間」のロスロリエンを撮影した庭がある。今回の旅のバイブルとなった「The Lord of the Rings Location Guidebook」(Ian Brodie 著)に紹介されていたが、それによると庭は一般には開放されておらず、泊まり客だけが立ち入ることができる、とあった。 1階から順に家の中を案内してくれる。玄関ホールの右側すぐが客間(Drawing Room)。本物の暖炉がある。その隣は緑色を基調にした書斎(Study)。本やTVはここにある。玄関の左側にはダイニングルーム。前庭に向かって丸く張り出した部分にあたる。さらにこの隣がキッチンらしい。階段の奥にはトイレがあり、2階の寝室まで行かなくてもすむようになっている。2階に上がるとまずは「こちらをあなたの今夜の寝室にと考えているのですが、もちろん他の部屋のほうがお好みでしたらそちらでもかまいません」と言って私の東京の住まい全部が入ってしまいそうに広いテラス付きの部屋に案内された。 ブルーを基調にしたインテリアはちょっと男性的な印象もあるが、この広さは魅力的だ。バスルームも広々としており、外の光がたっぷりさしこむようになっていて、とても気持ちがいい。とどめは「ピーター・ジャクソン氏もこの部屋を使っていましたよ」の一言。「ここにしますっ!」 この主寝室には4畳半くらいの広さのウォーク・イン・クローゼットがついていて、さらにその先に別の寝室がある。こちらは淡いクリーム色を使った女性的な部屋だ。廊下の反対側にも別の寝室があり、ひとつは下のダイニングの上の部分にあたるらしく、丸く張り出した部分がついている。ここは重厚な雰囲気のインテリア。私の好みには少し重すぎる。最後の部屋はこの家の中ではいちばん小さな部屋で、飾りつけも女の子っぽい。家族旅行だったら子供部屋になるのかな。どの部屋にも壁の目立たない部分に小さな真鍮のボタンがあり、それを押せばいつでも家の人が用を聞きにきてくれるという。車の中で私が「ロード・オブ・ザ・リング」のファンで、そのためにニュージーランドにもこの Fernside にも来たと言っていたのだが、そのせいか「あなたには興味深いかもしれません」と言って写真の束(非常に重く、なおかつ写真の画質が悪いのでご注意ください)を渡してくれた。下の客間にガラドリエルやセオデンの衣装が飾ってある写真だ。「2週間ほど前に映画会社が世界中からジャーナリストを20人くらい招いて、ここで第三部のためのプロモーションをしたんです。映画で使った衣装や小道具をたくさんもちこんでね。そのときの写真です」 興奮してさっそく写真を見始めた私に、「ここに滞在している間はどの部屋でも自由にお使いください」と言い残してビルは姿を消した。写真はプロモーションのときのものだけでなく、映画の撮影をしたときの風景を撮ったものも混ざっていた。ロスロリエンの橋を作っているところ、旅の仲間が旅立つシーンの巨木を作っているところ(あれは中が空洞のハリボてだったのだ!)など、俳優は写っていないがこれまた興味深い。じっくり見ていたいところだが、まだ日は高いし、せっかくここまで来て部屋の中でぐずぐずしていたらもったいない。 |
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食事が終わったときにはすでに10時を過ぎていた。書斎に移って少しTVを見ながら話していたが、毎朝5時には起きてひよこに餌をやったりしているというタウディはもう眠そうだ。引き止めては悪いので「それじゃそろそろ・・・おやすみなさい。とても楽しい夕食でした。つきあってくれてありがとう」とお礼を言って失礼した。 部屋に戻り、顔だけ洗ってパジャマに着替え、さっさとベッドに入る。昼寝しちゃったから眠れるかな、という心配は杞憂に終わり、ワインのせいもあってあっという間に眠ってしまった。 |
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Fernside RD1, Featherston, New Zealand Phone 646 308 8265 fax 646 308 9172 E-mail fernside.lodge@xtra.co.nz www.fernside.co.nz |