WALKING IN MEXICO



Part 48

ラメダ公園の横を通って、国立芸術院宮殿へ。工事中で近くに寄れないので、楽屋口みたいなほうに行ってみたが、ここも大道具の搬入をしているだけで、観光客が入れるような入口はない。

しかたなくあきらめて、タイルの家を見にいく。しかし、このあたり、工事中の場所が多くて歩道がふさがれてるうえに、車の通りが多くて、どの車も歩行者のことなんか歯牙にもかけずにびゅんびゅん飛ばしているから、向こう側に渡るのが命がけだ。なんとなくタイを思い出してしまった。

マデロ通りを歩く。やけにいかめしい石造りの家が多い。なにやら美術館らしき建物があったので入ってみた。きょうは祝日なので入館料は無料だという。

ディエゴ・リベラ、タマヨ、オロスコ、シケイロスなど重鎮の作品はもちろん、民族学的な収集品もたくさんあって、見応えがある。

アブラハム・アンヘルという画家の作品があった。肌の色に赤系統の色を効果的に使っている。なかでも自画像は強烈なインパクト。20代で亡くなったらしい。

オロスコ。夜の街をバックに窓辺に立つ、青いガウンを着た男の絵がいい。

とても精密に作られたノアの箱船には、トリケラトプス(のような動物)が、紫たまねぎ(のような野菜)を手にして乗りこもうとしている。←シュール(^_^;)

建物自体もきのう見た中央郵便局同様、クラシックですてきだし、収蔵作品も多いのに、『地球』にはまったく記述がない。一体ここはどこ?

祝日だというのに、館内には掃除をする人たちがたくさんいる。ドアの蝶つがい、石柱のひとつずつを実にていねいに、ゆっくりと磨いている。 日本では最近、掃除をしているのは外国の人ばかりで、年齢も若くなっているけれど、ここの掃除人たちもとても若い。少年少女とも言えるくらいの年頃で、みなインディヘナの人たちだ。


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