
車掌が切符を売りにきたときに村の名前を行っておいたので、停留所に着いたと教えてくれた。けっこうたくさんの人が降りていく。やっぱり市が立つ日だからかしら。
人が行くほうに歩いて行くと・・・やってる、やってる、木に囲まれた広場で、小さいけれど市が開かれていた。
ほんとに地元の人だけが来る市らしく、売っているのは日常的なものがほとんど。野菜や果物、ベッドや椅子などの家具(まだ作ってる途中のものもある)、食器、衣料品など。観光客相手のメルカードとは趣の違う、ふだんの顔だ。
持ち運びに困ると思いながらも、陶器の小さなキャセロールを買ってしまう私(^_^;)。←だって、かわいいんだもん
しかし、なにしろ小さい市だから、あっ!という間に見終えてしまった。村の中を少し歩いてみたけれど、ほんとになんにもない。昼時なので太陽が真上にあって、日陰もない。
暑い!
いつまでもふらついていると日射病になりそうなので、バス停までもどるとちょうどバスが来ていた。行きに乗ってきたのより小さなバス(25人乗りと書いてあった)だったけど、車掌が「オアハカ!オアハカ!」と叫んでいたので乗ってしまう。
料金も安かったから、違う路線なのかもしれない。走る道も行きとは違っていて、こっちのほうが断然いい。道の両側には藤色の花が満開の樹がず〜っと並んでいて、まるで夢のような風景だ。
地図を見るとPAN AMERICAN HIGHWAYというのがあって、なんとなく味もそっけもない自動車道かなと思っていたけれど、ひょっとしたらこれがそうなのかもしれない。あなどれないなあ。
さっき叫んでいた車掌は、着ている服はぼろぼろだし、歯は欠けてるしでどうもサエない風貌なんだけど、車掌業に関してはプロ! あとからあとから人が乗り降りしているのに、ちゃんとまだお金を払っていない人を見分けて切符を売りにいく。
私が払ったときは小銭がなくてお釣りがなかったのだけれど、「ちょっと待ってて」と言ったあとかなり経ってから、ちゃんと持ってきてくれた。
しかし、こっちの車掌というのは運転手と個人的な契約でも交わしているのだろうか? 運転手が水を汲んでこいといえば、ミネラルウォーターの空きびんを持って井戸まで走っていくし、集金したお金をきちんと整理して運転手に渡していた。
車掌席の下に例の山刀(サンチェ)が置いてあったけど、いざ強盗が出たら、こんなに貧相な車掌では相手にならないだろうなあ。