
街に戻ったが、夕食までにはまだ少し時間がある。
じゃあ、ということでタマヨ博物館に行ってみた。なにしろ小さな街だから、どこに行くにもすごく近くてらくだわ。
私は専門家じゃないので、考古学的な価値はわからないけれど、タマヨというアーティストの目で選び出された収蔵作品は、どれもこれも素晴らしかった。極端なことを言ってしまうと、国立民族学博物館よりもよかったくらい。
もちろん彼の好みははっきりしていて、その嗜好にしたがって集めているから、作品全体の傾向はすごく似通ってはいるんだけれど、やはり「見る目」があるっていうのは強いと思う。タマヨの作品に見られる人物造形の元になったと思われるような土偶もあって、興味はつきない。
それにしても、こういう考古学的な発掘物って、個人が売り買いしてはいけないものではないのかしら? まあ、でも、彼が集めておいたおかげで、こうした貴重な遺物が損傷も免れて、こうして残っているわけだし、今では一般公開もされているわけだから、メキシコ政府としては文句のつけようもないでしょうが・・・
入口横のポストカードなんかを売っている小さなコーナーには、各種催物のポスターが貼ってあるのだけれど、中に黒沢映画のフェスティバルがあったのにはびっくり。さすが、アーティストが多く住んでいる街オアハカだ。