
ミトラの遺跡は想像していたより平べったかった。メキシコの遺跡というと、すぐピラミッドを思い浮べるせいかもしれないけれど。低い建物が入り組んで並んでいて、どちらかというとローマ時代の遺跡のよう。壁に細かく彫られたモザイクのせいかしら。
回りを囲んでいるサボテンの柵がすごく不思議な感じ。アイルランドでは、石を無数に積み重ねて作った柵が延々と連なっていたけれど、どこの土地でも、その土地に山ほどあるものを利用して柵を作るものなのね。
しかし、石はほとんど変化しないからいいけど、サボテンは枯れたりしないのかしら? メンテナンスが大変なんじゃないのかなあ・・・
遺跡自体はそんなに広くないから、小1時間ほどで見終えてしまった。そのあと遺跡の入口前にある民芸品市場で買物。コの字型に店が並んでいて、けっこう品物の種類も充実してる。時間に余裕があれば、もっとゆっくり見たかったなあ。
行ってみてわかったことだけど、ミトラの遺跡にはツアーで行く必要はまったくないと思う。街から近いし、バスの数もけっこうあるみたいだし、ガイドの説明もたいしたことないし。第一、ツアーだと、まわりの人と一緒のペースで歩かなくちゃならないから、自分が見たい所もよく見られないような気がしてしまう。
さて、バスはこのままオアハカに戻るのかと思っていたら、そこはツアー、お決まりのコースというのがついていた。
まずは、織物の実演販売の店に。糸を染めるのに使う石やら草やらが面白い。
「へえ、こんなものから色が出るのかあ」
割合気に入った色と模様のタピストリーがあったんだけど、いかんせん大きすぎる。同じ色と模様で小さいのはないか、と探してもらったけど、なにしろ手づくりだから、そうそう同じものはないのよね。あきらめて店をあとにした。
次はメスカルの店。砂漠の中の沿道にポツンと1軒立っている、さびれたガソリンスタンドみたいな店だった。
ボロボロのガレージの隅に小さなカウンターがあって、そこにメスカルのびんがずらっと並んでいるだけ。メスカルっていうのは、透明のお酒(テキーラ?)の中にミミズみたいな虫が入ってるもので、オアハカの名産品の筆頭らしい。ちょっと見はギョッとする。
試飲もさせてくれたので、今度は遠慮なくいただいてしまった。
う〜ん、キツイ(/_・)/!
寝る前にグイッといくのにはいいかもしれない。でも、ここでこんな重いものを買う気にはなれないわ。
ティオティワカンでもそうだったけど、こっちのツアーって、こういうお土産屋さんでの滞在時間が長い! 買う人は買い終えてしまい、買わない人は買わないとはっきりしているのに、ガイドは店の人といつまでも果てしなくおしゃべりに興じていて、出発しようとしない。 遺跡では大急ぎで案内していたくせに。
ようやく出発したのは30分くらいたってから。やれやれ。