
7時起床。ゆうべあんなに暑かったのが嘘みたいにさわやかな朝だ。空気が涼しい。
しかし、Wは案の定眠れなかったらしく、ものすごく機嫌が悪。
「SHOHったら、夜中にヒヒヒヒって笑ってたわよ(`0';)」
げ、私の寝言にまで文句がきた(^_^;)。
さわらぬ神に祟りなしとばかりに、身支度しているWを残し、ホテルの近くのサント・ドミニコ教会まで散歩に行った。「地球」には、黄金色に覆われているとあったが、黄金だらけなのは祭壇のうしろにあたる部分だけで、それ以外はすべて白地に金の模様がはめ込んである。とても女性的な感じだ。
教会の前は石畳の広場になっていて、燃えるように赤い花をつけた樹が3〜4本植えてある。近所の人たちがこの広場を抜けて、朝のミサにやってくる。教会に入るときだけでなく、近づいてくる間にもしきりと十字を切っているのが、信仰の深さを感じさせた。
教会からもどると、Wがフロントと部屋替えの交渉をしていた。無表情のフロントマンが、ボーイを呼んで鍵を渡し、ついていくように言う。別の部屋を見せてくれるらしい。
案内されたのは、サンルームがついた、きのうより格段に豪華な部屋だ。TVと扇風機、ホームバーもついている。が、ここは廊下側にしか窓がついていないので、夜窓を開けて寝るのが不用心だとすると、暑くてつらいかもしれない。
で、またフロントにもどって、別の部屋を見せてくれるように言う。今度は鍵を2つ持たせてくれたが、どちらもやはり窓が廊下側にしかない。ホテルの作りからいっても、道路か廊下に面している部屋がほとんどで、Wが希望しているような中庭に面している部屋なんて数えるほどしかない。多分、そこは料金も高いのだろう。
「ねえ、もういいじゃない。どっちかに決めようよぉ。廊下側の窓は小さいし、開けて寝たってだいじょうぶよ」
根性のない私は、すぐに妥協したがる(^_^;)。
Wもなんとか納得してフロントにもどったのだが、あとから見た部屋に移る場合は、2人で1日100ペソの追加料金が必要だという。
これでまたWが怒った。
「おたくは一流のホテルだというから、ここに決めたのよ。なのに、ゆうべはめちゃくちゃうるさくて一睡もできないようなひどい部屋だった! こういうことでちゃんとしたホテルだと言えるんですか? ちょっとどうかと思うわ!」ものすごい勢いでまくしたてた。
すさまじい怒りにタジタジとなったフロントマンは、別の鍵を出すと「この部屋はエクストラなしでもいいですから」と言う。
見に行くと、なんと小さな専用パティオがついた、すごく広い部屋だった。ここもTVと扇風機つき。建物のいちばん端の部屋で、階段を4〜5段上がった突き当たりだから、廊下側の窓を開けても、なんの問題もなさそう。これなら、当然静かだろう。
これでようやくWも納得したのだった。ああ、疲れた。