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特定保健指導物語③


東都電気附属特定保険指導施設の長:カイ・シデンは今日も東都電気の社員家族32人に特定保険指導を行い、17時に帰宅し、酒を飲んでいた。

こんな指導でメタボが減らせないことは、彼でなくても多くの人がすでに感じ始めていた。

しかし、東都電気の社員家族のメタボを減らして見せなければ、彼は失業する。

どうすればいいか。いくら指導してもダイエットしない社員家族たちのメタボを見かけ上だけでも減らせないものか。

「腹囲は着衣でもいい、ということになったというニュース」を見た彼は、彼が特定保険指導した社員家族が次回特定健診を受ける際、ウエストを細く見せる下着を着せてはどうかと、考えた。

さらには、自動腹囲測定装置が普及している今、その装置をだます手立てはないかと考え始めていた。

自動腹囲測定装置はスイッチを入れてから、腹囲を測り終わるまで、15秒。この15秒だけウエストを締め上げる下着を設計できないものか。

彼はメタボ体型の自分のお腹をベルトで締め上げながら、どの力なら15秒我慢できるか、実験を始めた。

彼も医者の端くれ。自動腹囲測定装置をだます装置を開発しようなんて何と邪道な事を、と思わないわけではなかった。

しかし、医師免許を持っているだけでは今の時代食っていけない。「悲しいけど、これって戦争なのよね。」

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